7月号
世界に冠たる神戸ビーフに続け!
神戸牛レザーが「ミラノサローネ」で高い評価を得る
世界に冠たる神戸ビーフは、その美味しさから世界中で知られている。では、この神戸ビーフの知名度を生かして、神戸牛を使った皮革製品を作れないだろうか?そんな考えに賛同し、動き出したのが神戸レザー協同組合。参画するのは、(株)喜市(革小物)、(有)マルヤ靴店(靴)、永田良介商店(家具)、そしてデザインを担当するkuli-kuli。
今年1月にパリで開催された神戸の食のプロモーションパーティーでは、フランスやEUのメディア関係者、バイヤーの前で神戸牛レザーの商品を紹介したが、デザイン性の面などから決して高い評価を得ることはできなかった。
しかし、今年4月に開催されたミラノサローネで設けられたサローネサテリテアワードの1st を受賞し、高い評価を得た。
神戸牛は固体自体が小さく、また味覚同様、繊細すぎるがゆえに決して皮革製品に向いているとはいえない。ならば、神戸牛の特徴を生かした皮革製品をと、試行錯誤を繰り返し生まれたのが、本革では難しい、エッジのついた凹凸を実現した小物入れ「陰影」、温度変化によって、色調が変化するコインケース「感温」、形状を記憶できる革を使用した、まるで紙袋のようなカバン「形憶」の3商品。いずれも日本人のもつ繊細さ、品質の高さ、デザイン性、機能性などが高く評価され受賞となった。これから商品化に向けて、紳士靴や家具などの商品化も視野に入れる。世界の美味、神戸ビーフのように、神戸牛レザーが世界で脚光をあびる日を夢見て商品開発が進んでいる。
神戸牛レザーをデザインした山内真一さん(kuli-kuli)
「本革では難しい、工業製品のようなエッジのついた凹凸を実現した小物入れ。これは非常に難しく、日本の創造力や技術力の高さを世界にアピールできたと思います」
片山喜市郎さん(喜市)
「神戸牛に続く、世界に通用する製品づくりをしていくこと。また、神戸牛の皮革を製品に利用する確実な流通ルートを構築することが大切だと感じています」
永田泰資さん(永田良介商店)
「今回、3商品が高い評価を得ましたが、今後、多様なニーズに応えるため、家具や椅子など付加価値の高い多彩な商品を開発する必要があります」