9月号
音楽のあるまち♬11 楽しい演奏とパフォーマンスで神戸のまちの人気者
吹奏楽団 ブラス・ポルテーニョ 団長
見市 拡亘 さん
楽器演奏を楽しみたいというメンバーが集まる吹奏楽団「ブラス・ポルテーニョ」。結成以来50年、観客を楽しませてくれる演奏とパフォーマンスで神戸のまちの人気者です。
―「ブラス・ポルテーニョ」、略して「ブラポル」。どんな吹奏楽団ですか。
現在メンバーは約70人、今春、高校を卒業したばかりの団員もいれば、設立当時からのメンバーで70代の団員もいる、社会人のブラスバンドです。幅広い年齢層で、職業もいろいろ。毎週水・金曜日と隔週日曜日に練習しています。毎回の練習に全員が集まるのは難しいのですが、年に1回の定期演奏会ではほぼ全員が舞台に立って演奏します。
―多くの団員さんがいて、次の時代を担ってくれる世代もいて心強いですね。
人数が多いと演奏の規模や曲のレパートリーが広がり、できることの選択肢が増えます。高校のブラスバンド部員たちにも「ブラポル」の存在は知ってもらっていて、先輩から後輩へとつながってきています。私も高校時代の先輩が参加していたので見学してみました。卒業後も楽器演奏を楽しみたいという思いがあったので、「ここだ!」と入団を決めました。
―今年で創立50年だそうですね。
1968年、数人の若者が須磨浦公園に集まって水銀灯の明かりを頼りに練習したのが始まりと聞いています。「3カ月続いたらええやろう」と始めた「3カ月楽団」が「ブラス・ポルテーニョ」と名称を改め、練習場所を転々としながら続き、75年には神戸文化ホールで第1回の定期演奏会を開くまでになりました。たくさんの応援をいただき、披露する場も提供いただいてお陰さまで50周年を迎えることができました。
―どんな演奏を主にどんな場所で?
伝統的な吹奏楽の曲はもちろん、今流行りの曲もまじえ、手づくりの大道具・小道具なども用意して、歌あり、踊りあり、パフォーマンスありの演出で観客の皆さんに喜んでもらおうという演奏です。神戸市吹奏楽祭、乙木小学校で行う地域の中学生との合同コンサート、神戸市青少年会館が主催する明青祭、神戸ドイツ学院のオクトーバーフェスト、布引ハーブ園やハーバーランドのコンチェルト発着場での演奏などは恒例です。神戸市成人式では1973年から毎年、演奏させていただいています。神戸で活動する団体ですから、95年、第1回ルミナリエ点灯式で演奏させていただいたことは忘れられない経験になりました。
―ステージの構成や演出などはどなたが担当しているのですか。
指揮者の黒田広志さんが楽しいことを考えるのが好きで、ユニークなアイデアを出してくれます。団員もそれぞれが得意分野を生かして担当しています。
―ドイツへ演奏旅行にも出かけていますね。
1981年、神戸市の国際交流事業の一環でドイツへ第1回演奏旅行に出かけ、昨年で10回目。逆にドイツから楽団を受け入れて交歓演奏会を開催し、お互いにホームステイをしながら相互交流として続けています。私も2005年に初めて参加し、その時のホームステイ先のご家族とはずっとお付き合いがあり、実は新婚旅行でもお世話になりました(笑)。
―お仕事を持ちながらの練習は大変ではないですか。
大変といえばそうですが、コンクールに出て良い成績を取ろうというわけではなく、楽器を演奏したいという思いだけで楽しんで参加しています。私もそうなんですが、夫婦そろって団員というケースもあり、子ども連れの練習参加もみんながごく普通に受け入れてくれるアットホームな雰囲気です。親子2代の団員もそろそろ誕生しそうです。
―現在も団員は募集中ですか。
はい、常時募集中です。技術レベルは問わず、パートも限定しません。入団基準は練習に参加しようという熱意だけ。幅広い年齢層で、男女ともいろいろな職種の人たちと仲間として活動する楽団です。楽器を楽しみたいと思っている人はぜひ一度見学に来てください。
―この先、60年、70年…と続きそうな楽団ですね。また街角のステージでお会いするのを楽しみにしています。
ぜひ聴きに来てください!