7月号
連載コラム 「第二のプレイボール」 |Vol.17
文・写真/岡力<コラムニスト>
引退後にさまざまな世界で活躍する元プロ野球選手の「今」をご紹介します。
Vol.17 「球界の発展に情熱を注ぐ勇者・元阪急ブレーブス長村裕之さん」
シーズンも後半戦に突入し熾烈な戦いが続く「俺のオリックス」。興奮高まる試合前の球場を訪れ応接室で待つこと数分。ノック音と共に部屋へ入ってこられたスーツ姿の男性。
長村裕之さんは、徳島県鳴門市出身。小学4年から野球を始め中学卒業後は、名門・鳴戸工業高校に進学した。恵まれた体格を活かし捕手として春・夏の甲子園に出場。プロのスカウトが注目する存在となりドラフトへの期待も高まった。しかし父親から言われた「責任のある自由」という言葉。好きな道に進んでもいいが今後の人生をしっかり見据えなさいと言われ駒沢大学へ進学した。大学時代は、リーグ優勝3回、ベストナイン2回という偉業を達成。日米大学野球選手権大会の代表にも選ばれた。
そして迎えた1980年のドラフト会議で阪急ブレーブスより2位で指名を受け入団。念願のプロ野球選手となった。 1984年からは、5年間に渡り一軍の試合でマスクをかぶる。そして阪急がオリックスに経営権を売却した1988年に現役生活を終えた。
引退後は、オリックス野球クラブ株式会社へ入社しスコアラーとなった。1995年からは、名将・仰木彬監督に招集されバッテリーコーチとしてグランドに復帰。「がんばろうKOBE」を合言葉に常勝軍団を作り上げ、1996年にはジャイアンツを破り日本一にも貢献。その後もファームディレクターとして「修理・調整・生産」をモットーに若手選手の育成と故障者の慰労に務めた。
現在は、リテール営業部・担当部長として地域のコミュニティー活動に取り組んでいる。「少子化の昨今、野球はもちろんですがスポーツ全般の良さを子供たちに伝えたい」と語る長村さん。人の縁や繋がりを大切にしながら、今日も球界の未来を見据えた活動に励む。
■オリックス・バファローズ情報
ほっともっとフィールド神戸での開催試合
7月27日(水)・28日(木)
対ロッテ戦 試合開始 18時