9月号
今すぐ行きたい、東北飛行機旅 Vol.2 岩手県
スカイマーク仙台便を利用すれば、神戸空港から仙台空港まで約80分。東北へも楽々旅!
浄土を表した建築・庭園が残る世界遺産の町、岩手県平泉町
飛行機で快適・楽チンに行く東北旅特集。第二回は仙台空港のある宮城県との県境に位置する岩手県一関市と、その隣に位置する平泉町をピックアップします。
平泉で、思い浮かべるのは「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」という、悲劇の武将義経の最期と奥州藤原氏の栄華を偲んだ、芭蕉の句ではないでしょうか。平泉一帯には、四代約百年にわたって奥州藤原氏が築いた寺院や遺跡群が良好に保存されています。その中で、中尊寺・毛越寺(もうつうじ)・観自在王院跡(かんじざいおういんあと)・無量光院跡(みうりょうこういんあと)・金鶏山(きんけいさん)が「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」として、2011年、世界遺産に登録されました。これらは日本に伝来した仏教が説いた仏国土(浄土)の世界を仏堂や庭園として表したもので、海外からの影響を受けつつ日本で独自の発展を遂げた、他に例の無いものとされています。奥州藤原氏が築いた、浄土の世界を感じる5つの史跡を巡る旅。東北指折りの紅葉の名所でもある平泉へは、秋のシーズンがイチオシです。
中尊寺
「中尊寺」は嘉祥3年、円仁の開山とされ、その後、奥州藤原氏の初代清衡が諸堂を建立。なかでもお堂全体に金箔が押され、夜光貝の細工や漆の蒔絵など、華麗な装飾が施された国宝「金色堂」は必見です。また「須弥壇」のなかには清衡、二代基衡、三代秀衡の遺体と四代泰衡の首級が納められています。
●中尊寺
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202 0191-46-2211 拝観800円(大人)
毛越寺
国の特別史跡・特別名勝に二重指定された「毛越寺」の庭園は基衡、秀衡が手掛けました。平安時代の庭園造り秘伝書に基づいて造られ、海岸の美しさを表す「大泉が池」や小川のような「遣水(やりみず)」などを現代に伝える、日本を代表する浄土庭園です。
●毛越寺
岩手県西磐井郡平泉町
平泉大沢58
0191-46-2331
拝観500円(大人)
観自在王院跡
「観自在王院跡」は基衡の妻が造営した寺院の遺跡。阿弥陀堂には阿弥陀如来、観音、勢至菩薩を安置し、壁に宇治平等院など、京都の名所が描かれていたそう。浄土庭園の遺構はほぼ完全な形で保存され、今は史跡公園として親しまれています。
●観自在王院跡
岩手県西磐井郡平泉町
平泉字志羅山地内
0191-46-4012
(平泉文化遺産センター)
園内自由
金鶏山
「金鶏山」は、芭蕉の句「秀衡があとは田野になりて、金鶏山のみ形を残す」でも知られる円すい状の小さな山。頂上には経塚があり、秀衡が一晩で造った人工の山、雌雄一対の黄金の鶏が埋められているという伝説があります。
●金鶏山
岩手県西磐井郡平泉町
平泉字花立地内
無量光院跡
「無量光院跡」は、秀衡公が京都の宇治平等院鳳凰堂を模して建てた「無量光院」の遺跡。調査の結果、鳳凰堂よりも一回り大きな建物を目指したことが判明。伽藍の軸線が東門・橋・中島・本堂を貫き、その先の金鶏山に沈む夕日に浄土を重ねあわせたのではと言われています。
●無量光院跡
岩手県西磐井郡平泉町
平泉字花立
0191-46-4012
(平泉文化遺産センター)
散策自由
餅の聖地・一関で、餅三昧「食いでぇ~餅」にハマる!
古くから「もち文化」が息づく岩手県最南端の一関市では、もち料理が300種類もあるとか。沼エビやドジョウなど、どんな味(!?)なもちも多数。珍しいもちを食いでぇ~、
気になるでぇ~な人はぜひ、岩手へ!
❶甘酢味の大根おろし(お餅なし)/一関地区ではもち料理に必ず甘酢の大根おろしを添えるそう。最初に食べて喉を潤し、餅が詰まらないようにするほか、箸休め的に食べて口をさっぱりさせ、色々な餅をよりおいしく楽しむ知恵 ❷あんこ餅 ❸納豆餅 ❹くるみ餅❺ずんだ餅 ❻じゅうね餅/じゅうねとはエゴマの実のこと。煎ったゴマをすって、砂糖、塩(醤油)で調味 ❼しょうが餅/椎茸に根しょうがのおろし汁を加えてとろみをつけて ❽ごま餅 ❾エビ餅/炒った沼エビをだし醤油で和えて
●他にも…麦芽糖ときな粉で食べる、あめ餅や、焼いたドジョウとすりおろしたゴボウを醤油で味付けし唐辛子をかけて食べる、ふすべ。野草のオオヤマボクチの葉を練り込んだ、ごんぼっぱ、カボチャを錬り込んだ餅×香り豊かな青ねぎの黄金ねぎ餅など、珍しいレシピが満載
喜びも悲しみも、もちと共に。
人が集えば、ぺったん♪
一関市では正月はモチろん、冠婚葬祭や農作業の節目、季節の行事など、喜びの時も悲しみの時も何かにつけ、もちをついて皆で食べる習慣があります。
もち文化が始まったのは江戸時代。一関地域はもともと伊達領で、武家の年中行事としてもちを食べる習慣があり、それが商家や農家に広まったそう。北上川下流域の米どころ・一関の農民が、藩主に献上した残りのくず米や雑穀を練ったもちをおいしく食べられるよう工夫を凝らし、多彩なもち料理が生まれたと言われています。
一関では“もちでもてなす”
もちのイベントも多彩!
ユニークなもちイベントも注目を集めています。もちの早食いイベント「全国わんこもち大会」、投票でもち料理のグランプリを決める「全国ご当地もちサミット」など。市内では多彩なもち料理を年中楽しめるお店があちこちに。またお土産も豊富に揃うので、自慢のもちをお「モチ」帰りしていてはいかが。