7月号
木のすまいプロジェクト|平尾工務店|襖編|Vol.3
失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。
連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。
下地骨
前回に続いて木と紙でつくる組子襖を例に、襖の製造工程をみていきましょう。
十分に乾燥させたスギ無垢材の白太(木の白い部分)の部分を加工した襖骨を組み上げて、下地骨をつくっていきます。
襖骨には寸法に合わせて溝が彫られていますが、これは上下交互に彫られています。この溝と溝を直角にはめ組子にしていくのですが、上下交互になっているので、平織りの布の糸のように襖骨が上側と下側で順番に交差していきます。こうすることにより強度や耐久性が増し、ねじれが少ない下地骨になっていきます。
金槌で軽く叩いて縦と横の襖骨の溝をはめ込んで組子にしていきますが、その力加減は繊細です。襖骨の本数は一般的なサイズの襖で縦=竪子が3~4本、横=横子が10~11本で、必要にあわせて部分的に太い骨=力子を組み入れることもあります。
次は、できあがった組子=中骨に枠の部分=框をとりつけます。中骨を寝かせてその四方に竪框と横框をセットし、タッカーなどでとめていきます。物によっては下貼りの紙の厚さを計算して中骨より框を厚くし、より美しく仕上がるよう框を内側に向けてくさび形に削る「さるとり」の加工をする場合もあります。
框を取り付けたら、今度は補強のため取っ手の部分に引手板、四隅に燧板(隅板)をつけます。燧板にはゆがみや隅じわを防ぐ役割もあります。
最後に、ひっくり返して反対の面をとめていきます。これで襖の下地骨は完成です。
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