6月号
harmony(はーもにぃ) Vol.40 新型出生前診断①
2021年4月1日の新聞各紙に新型出生前診断についての記事が掲載されました。それは、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断について、国や自治体はこれまでは積極的に妊婦に知らせない、という方針だったのを20年ぶりに改め、この診断について正しい情報を提供し、検査に関する相談事業を推進する、という記事でした。この新型出生前診断は妊娠10週以降に妊婦の血液に含まれるDNAを調べ、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の3種類の染色体異常を判定する検査で、確定診断には羊水検査が必要ですが、羊水検査には流産の危険もゼロではありません。
日本では2013年に始められ、これまでに8万人以上が検査を受け、陽性と確定した妊婦の9割が出産を望まずに中絶をしたとされています。
日本産婦人科学会では、この検査に関する指針を定めており、検査を受ける前のカウンセリングや、陽性と確定した場合の相談や支援などを決めていますが、無認定施設ではカウンセリングや確定検査をしていない施設も少なからずあるようです。
血液検査だけで簡単に診断を受けられることの気軽さから、無認定施設で検査を受ける妊婦も多くなってきています。美容外科や皮膚科、内科、循環器科、などの無認定施設が増え、認定施設(109施設)より多く(138施設)なってきており、妊婦の不安や悩みに十分対応できていないことも、今回情報を積極的に提供することとなった理由があるようです。今後は施設の認定の審査に国が関与することも報告されています。ただ、積極的に診断の情報を提供することによって、妊婦に「診断を受けなければならない」というプレッシャーがかかるようになってはなりません。「診断を受けずに産む」という選択の自由も保障される必要があります。
〈次号へ続く〉
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