2020年
12月号
12月号
ロンドン・神戸 異文化が溶け合う街に 引き寄せられて。
絵本作家 きたむらさとしさん
小学校の教科書に掲載の『ミリーのすてきなぼうし』の作者・きたむらさとしさん。30年のロンドン暮らしを経て移り住んだ神戸は、若き日の愛読書に登場した街だったとか。新しく構えた北野のアトリエを訪ね、神戸への想いや新刊『スマイルショップ』誕生のお話を伺いました。
神戸の光は、とても明るく澄んでいる
−神戸に住むと決めた経緯は。
妻(編集者で作家の松田素子さん)が仕事で時々来ていて好きだったというのと、ぼくも若いときに、西宮ですがしばらくいたことがあって印象がよかったんです。住んでみたらすぐに気に入って、もうすぐ3年です。
−具体的にはどのようなところが、気に入られたんでしょう。
まず便利です。このくらいのサイズの街はとても住みやすい。どこへ行くにもほとんど歩いて行けるし、それに山と海…つまり自然が近い。そしてなによりも、人と繋がれる街だなと感じます。移住してからわずかなのに、すでにすごく面白い方たちと何人も知り合えました。
あと気づいたのは、光が違いますね。明るく澄んでいる。
きたむらさとし
1956年東京生まれ。1982年にイギリスで絵本作家としてデビューし、以来、イギリスを拠点に世界的に活躍を続ける。約10年前に帰国し、現在は神戸市に在住。絵本作家、イラストレーターとして活躍。デビュー作「ぼくはおこった」でイギリスの新人絵本画家に与えられるマザーグース賞を受賞。「ぼくネコになる」「わたしのゆたんぽ」「ポットさん」などの著書の他、「ふつうに学校にいくふつうの日」では絵本日本賞翻訳絵本賞を受賞。 その他「ぞうのエルマー」シリーズの翻訳者としてもおなじみ