9月号
里親ケースワーカーの 〝ちょっといい お話〟
この夏も里親家庭の子どもたちと一緒に、毎年恒例のキャンプに行きました。今回で44回目を迎えた、この「ぽんぽこキャンプ」は、子どもや親たちにとって大きな意義があるものです。
今年は8月に、2泊3日で富山県の立山青少年自然の家に行き、大人と子どもあわせて64人が参加しました。子供たちは、中学生になるとサブリーダーとなり、高校生になるとリーダーとなって、大きくなるにつれ責任が与えられるようになります。今年も5人の新中学生がサブリーダーとしてグループの小学生たちをまとめていましたが、楽しいゲームやクイズを提案したりして、みんなを楽しませていました。今年は天候がすぐれず、外でのキャンプファイヤーは中止して、山小屋の中でキャンドルサービスをしたのですが、中学生のサブリーダーたちが自分で考えて、人気のスギちゃんの格好をして登場し、このキャンプにまつわるクイズを出したりね(笑)みんな大喜びでしたよ。
小学生たちはそんな頼もしいリーダーのお兄さんやお姉さんたちを見て、自分と同じ境遇である先輩たちのように、大きくなってあんなふうになりたいと、憧れを持つようです。また、リーダーシップを発揮する子どもを見て、里親は彼らの成長に驚き、そして実感します。また、他の里親たちもその子の成長を喜び、うちの子もあんなふうに成長するのかと期待を寄せます。このキャンプでは、子どもたちから解放された、里親のお母さんたちが夜集まって、子育て談議を交わします。悩みを打ち明けたり、先輩里親さんにアドバイスをもらったりして、元気づけられる場ともなっています。子どもたちはきっと大きくなったとき、「あのキャンプは自分たちの成長のもとだった」「あのキャンプから出発した」と懐かしく思い出すことでしょう。
このキャンプはもちろん会費制ですが、さまざまな団体から費用面でのサポートを受けています。ありがたいことです。
お話/米沢普子さん
〈家庭養護促進協会
神戸事務所 ケースワーカー〉
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