2012年
9月号
9月号
関西の地球人
地域のために、外国人もいっしょになって
両親がスリランカから、大阪大学に留学のため来日。百合子さん自身は日本生まれで、大阪外大を卒業し、流暢な日本語を話す。育った家の中も、日本の家庭そのものだったという。
英語教室を開いているほか、大阪府豊中市のとよなか国際交流協会に所属し、市内の小学校に地域在住の外国人が訪れて文化や言葉を教える「小学校英語(外国語)体験活動」のコーディネーターなどを手がけている。
日本に住む外国人はやはり問題を多数抱えている。百合子さんも日本生まれとはいえ、アイデンティティや、外見などの差別から、子どもの頃からいろいろなことを体験した。それでも百合子さんのお母さんは学校のPTA活動に積極的に参加し、お友達を家に呼んでエスニック料理をふるまうなど、オープンだったといい、「地域の人と交わることで、きっとわかりあえる」というのがお母さんの持論。百合子さんも「地域をよくするために、外国人もみんなでやっていこう」というスタンスで活動している。豊中のコミュニティには、いつしか周囲の市や県から外国人たちが集まってきているという。
「日本に住む外国の子どもたちには、いろいろしんどいこともあるけれど、私みたいな大人になれるなら、日本に暮らすのもいいかもしれないな、と思われるような存在になりたい」と話す。