5月号
月見山浄徳寺「平成の国宝」新築落慶、新住職「晋山」を祝う
3月、「平成の国宝」月見山浄徳寺客殿が完成した。さらに27日(日)午前、浄徳寺本堂において「晋山式」が執り行われ、宇賀浩生さんが第70世住職に任命された。続いて午後から、神戸ポートピアホテルで、新築落慶及び、新住職就任を祝う会が開かれた。
高野山真言宗金剛峯寺代表・山林部長山口文幸さんと山林部の方々、建築を担当した㈱奥谷組代表取締役の千田日出男さんをはじめ多くの来賓、檀信徒など約250人が集まった盛大なお祝いの会は、ボーイスカウト「いろは歌」から始まった。神戸市会議員の安達和彦さん司会の下、長年にわたり第69世住職を務めてきた宇賀芳樹さんからの感謝の意を込めた挨拶に続き、来賓を代表して㈱神戸ポートピアホテル代表取締役社長の中内仁さんから「平成の国宝」と呼ぶにふさわしい客殿・庫裏・山門落慶の祝辞が述べられた。
「皆さんに楽しんいただく時間をできるだけ長く」という宇賀・前住職ならではの意向を受け、早速、鏡開き。「神戸灘の酒による乾杯を推進する条例」に則して、灘五郷の一つ・御影郷「福寿」の清酒で乾杯。賑やかな歓談の時間が流れた。会場前方大スクリーンには、建築中の様子を含む新しい客殿庫裏が映し出され、急逝した森本宏建築委員長に代わり、田中育男さんが解説。さらに長年、宇賀・前住職が携わってきたボーイスカウト、往年の団員たちを代表して南平榮一さんが「子どもたちのために活動することはお寺の大きな役目の一つという前住職の思いを受け継ぎ、これからも明るく元気な声が響くスカウト広場であり続けてください」と話し、新住職を支える気持ちを込め、参加した元団員が揃って「弥栄(いやさか)」を三唱した。
新住職の謝辞では、「自分の未熟さと責任の重さを実感しています。父でもある前住職とは何かと意見が合わずぶつかることも多いのですが、今は『お疲れ様でした』
というのが素直な気持ちです」と話し、会場から、前住職への感謝と浄徳寺の今後に向けての期待を込めた拍手が送られた。