2015年
6月号
6月号
連載コラム 「第二のプレイボール」Vol.4
文・写真/岡力<コラムニスト>
引退後にさまざまな世界で活躍している元プロ野球選手が経営する、阪神間の店舗・施設等をご紹介します。
Vol.4 「勇者がつくる本格派の味 山本誠さん」
神戸市営地下鉄上沢駅すぐの場所に美味いと評判のもつ鍋専門店がある。お店を経営する山本誠さんは、高知県の出身。中学時代から野球を始め、地元の明徳義塾高等学校に進学。言わずと知れた強豪校の部員数は、100人を有したが早々にレギュラーを獲得。2年生の時には、夏の甲子園に出場し2試合連続完投勝利の偉業を成し遂げる。当時、高知県下のライバル校には、二つ年上に津野浩(日本ハム)や同学年に中山裕章(横浜大洋)、渡辺智男(西武)等の有望選手が多く日本プロ野球界も注目していた。そんな中、1985年阪急ブレーブスからドラフト2位の指名を受け入団。1年目から1軍入りし新人王の最有力候補として期待を受けた。しかし…腰痛やじん帯の故障に泣き球団名がオリックス・ブルーウェーブに変更した1991年に引退する。
24歳からの再スタート。ふと、福岡遠征で食べたモツ鍋に惹かれる。九州の専門店でノウハウを学び震災後、野球人生思い出の場所である神戸に牛もつ鍋専門「やま本」を開業。現在では、神戸・大阪に3店舗構える。「素材に勝るものなし」を合言葉に調理されるメニューの数々。サイドメニューからメインのもつ鍋に至るまでどれも格別の旨さである。「阪急ブレーブスでは、よき仲間に恵まれ幸せでした。残念ながら野球では結果を出せず御迷惑をおかけしました。ファンとの交流会やカラオケ大会は、懐かしい想い出です」と語る山本さん。野球で学んだ奉仕の心は、今日も飲食業界のフィールドで生き続けている。
■牛もつ鍋 やま本 本店
神戸市兵庫区松本通8-4-1
■才谷
神戸市中央区相生町2-2-6
【営】17:00~23:00
不定休