3月号
近代化産業遺産「湊川隧道」から生まれる
日本酒革新プロジェクト
熟成酒「隧ZUI SAKE 2020 子 Aged 5 years old』5年の時を経て、蔵出し
作陶家・辻村史朗氏が揮毫した技を冠する熟成酒
2026年2月5日、国登録有形文化財に指定されている歴史的遺産「湊川隧道」で5年間に渡り貯蔵された日本酒「隧(ずい)」が蔵出しされた。この取り組みは2020年より、早駒運輸株式会社、株式会社神戸酒心館、湊川隧道保存友の会および兵庫県の4者が連携して推進。昨年より新たなプロポーザル「湊川隧道の保存・活用事業」への採択を経て、長年にわたる貯蔵が継続可能となった。貯蔵されている生酛純米酒には六甲山系がもたらす名水「宮水」、その裾野で育まれた最高品質の酒米、そして灘酒に命を吹き込む寒風・六甲おろしなど、自然の恵みを惜しみなく活かして醸された、神戸酒心館の銘酒「福寿」を使用。近代土木技術の英知を結集した日本初の河川トンネル「湊川隧道」は「天然のカーヴ」と称され人工的な空調や温度管理は一切不要。CO2を排出せず平均気温約14度という安定した環境の中、まろやかで奥行きのある味わいが誕生した。この神戸発のサスティナブルな取り組みは多様な時代において注目を集めている。
唯一無二の酒器「黒盃」
今回の『隧 ZUI SAKE 2020 子 Aged 5 years old』のラベルは、世界的作陶家・辻村史朗氏が手掛け、揮毫した十二支の書から貯蔵した2020年にちなみ、『子』の字を選定。さらに、辻村氏が作陶した『黒盃』(くろさかずき)は、2025年10月に辻村氏自ら湊川隧道を訪問し、歴史を感じる悠久の静寂に包まれた空間の中で、実際に貯蔵されている日本酒を目にしながら、自身の思想と美意識を重ね合わせ着想を得た。自然にすべてを委ねて生み出される、唯一無二の器であり、『隧-ZUI-』の世界観を体現する存在である。
この日は、関西一円から報道陣が集まり早駒運輸株式会社・渡辺真二社長より、これまでの経緯が説明された。2017年、神戸開港150年を記念して湊川隧道で半年間貯蔵させた『SAKE from KOBE-KO』をプロデュース。1500本の限定酒が瞬く間に完売した。その取り組みを礎に2020年、新たな挑戦として誕生したのが『隧-ZUI-』。『最初は地味なプロジェクトでしたがおかげさまで世の中に知れ渡ってきました。今回、満を持して5年間に渡り熟成してきた生酛純米酒(500mlボトル)の販売を開始したいと思います。これまで飲んだことのない芳醇で素晴らしい味わいです』。関係各所よりそれぞれの視点で熱い思いが語られた後、高らかに鳴り響く銅鑼の音に見送られながら旅立った。
神戸から世界へ、楕縁のパスを繋ぐ
蔵出し後の取材で、同社ブランディングプロデューサーの渡邉美香さんから興味深いエピソードを伺った。「息子がロンドンジャパニーズでラグビー選手としてプレーしており、そのご縁で昨年11月、「隧」は海を渡りイギリスへ行きました」。2003年、兵庫県出身で在英日本大使館の外交官だった奥克彦氏は、派遣先のイラクで殉職した。早稲田大学、オックスフォード大学在学中にはラグビー選手としても活躍し、弱者に目を向けながら、ラグビーを通じて日英の国際交流を願っていた人物である。その志を偲ぶイベント「奥記念杯(OKU MEMORIAL TROPHY)」が現在もイギリスでは開催されており、今回「隧-ZUI-」が会食の席で振る舞われたという。神戸から世界へと紡ぐ新たな物語が始まろうとしている。


2025.12.20
奥記念杯
リッチモンドクラブアフターマッチファンクション
駐英日本国日本国特命全権大使 鈴木 浩 様(写真右から2番目)

毎年大会を主催しているレジ・クラーク氏。平尾誠二氏がイギリス留学時代の親交が深かった。ラグビー及び教育を通じた日英間の友好親善への寄与により旭日双光章を受章されたレジ・クラーク氏。05年から英国で「奥記念杯」と名付けたラグビーの大会を開催し続けている。今年は、奥記念杯に早駒運輸がロンドンジャパニーズに渡邉龍が選手として招待されたことで「隧-ZUI-」3ケースと福寿木升100個を協賛としてロンドンへもっていく。

ロンドンジャパニーズ ラグビークラブ
3月5日よりHPにて数量限定で抽選販売

問い合わせ:早駒運輸
株式会社神戸シーバス
0120-370-764
『隧-ZUI-』HP












