7月号
harmony(はーもにぃ) Vol.65 感覚過敏って何?(上)
NHK教育テレビの「バリバラ」という番組で感覚過敏の当事者たちが自分の経験を話していました。
感覚過敏というのは「通常、苦痛と感じない刺激を苦痛に感じてしまい、日常生活に困難がある状態」をいい、多くの人にとってごく当たり前のことが、自分には辛くて仕方ない、と感じる感覚です。例えば、
■聴覚過敏 大きい音や高い音を苦痛に感じる。
「街の中にいると、バイクや車の音がきこえると、頭の中にちいさなトゲトゲがいっぱい入ってくる感じがする」
■触覚過敏 肌に触れると痛いと感じる。
「シャワーの水の一本一本が、画鋲が降ってくる感じ」「服が肌にあたると、ヒリヒリ、チクチク、ピリピリする。服の内側がサンドペーパーとか大根おろしのように感じる」
■味覚過敏 食べ物や飲み物の味を苦痛に感じる。
「ハチミツや果物の蜜はすごい熱い油を飲んだようで口の中がただれてヒリヒリして皮がむけて痛いという感覚」「食事で混ざるもの、たとえばワンプレートランチ、カレーライス、丼物、混ぜご飯が苦手。食べ物に乾電池が混じっている感覚。」
他に、嗅覚過敏や光に痛みを感じる視覚過敏などもあり、当事者は辛い思いをしているが他人にはなかなかつらさを理解してもらえない。
脳や神経の感覚について研究している和田真さんは「感覚過敏は病気ではなく症状を表わす言葉です。発達障害や偏頭痛、脳梗塞の後遺症など様々な原因で生じます。アレルギーは免疫で起こる身体の反応なので全く違うもの。好き嫌いとの線引きが難しい。日常生活が難しいとか支障を来す問題が生じている場合はその背景に感覚過敏があると考えられます。現時点で万能な治療法はない。感覚過敏は不安やストレスで悪化することが知られているので、不安やストレスを強く感じる場合は、心療内科やメンタルクリニックに相談するのが良い。その人その人に合わせた対応をすることが大切」と説明しています。
(次号へ続く)
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