2022年
11月号
11月号
KOBECCO お店訪問|SETTAN
里山の風景に癒され、味わう 摂津丹波の〝地の料理〟
三宮から車で約30分。木々の緑、澄んだ空気、野焼きの香り、実った稲穂…懐かしさを感じさせる風景が広がる。
「何故ここに?と思ったでしょうね」と迎えてくれたのは「SETTAN」オーナーシェフの吉田繁雄さん。〝地の料理〟を追求し、3年かけて北区の里山に辿り着いた。「山があり川があり、そこから水を引き、人が作物を育てる。日本の原風景です」
魚介類は明石の昼網、食器は立杭焼、椅子は六甲山の楢材など極力近隣のものをそろえ、野菜や果物は徹底して〝地〟のものを使う。ハーブを育て、田植えをして稲刈りをし、四季折々の食材を探して山を歩き、作物を求めて農家の畑を訪ねる。「旬のものを全国から集めるのも一つの方法ですが、今ここで手に入るものにはそれぞれ特徴があります」。干す・熟す・焼く・燻す・醸すなど先人の知恵と自身が培った技で素材の旨味を引き出し、使いこなす。
「神戸にはこんなにたくさんの農産物があることを知ってもらい、新規就農者の販路を広げるお手伝いもできたら嬉しい」と話す吉田さん。高齢化が進む里山に人を残し、未来へとつなぐ。この地を選んだ思いが伝わってくる。
SETTAN
■神戸市北区八多町屏風965
■TEL.078-224-5013
■ランチ 11:00(L.O12:30) ディナー 17:00(L.O18:30)
■月曜休(月曜が祝日の場合は翌日)
https://settan-kobe.com/