2021年
11月号
11月号
KOBECCO おすすめの一冊
師匠・笑福亭鶴瓶の言葉にしがみつき応え続ける弟子・笑福亭銀瓶の生き方
笑福亭銀瓶さんの自叙伝「師弟」。
師匠・笑福亭鶴瓶さんからもらった言葉のこと、お聞きしました。
「キミと、もういっぺん会いたいなぁ」
初めて会いに行った日に師匠がくれた言葉ですね。
師匠の出演するラジオ番組を見学して、帰りにタクシーに乗せて頂いて。司馬遼太郎さんの本の話をしてね、どこの誰かもわからない私に、師匠は優しかったです。心が満たされる気がしました。先のことが見えなかった時期に「会いたいなぁ」はね、支えになりました。
なのに入門して2年後、辞めたい、と…。
師匠が返してくれたのは、
「俺は、お前を辞めさすつもりはない」
ありがたいと思いました。同時に、今辞めることをこの人は許してくれない。中途半端はあかん。全うしなければいけない。厳しさも受け取りました。そして、おってええんやな。愛されてるんだなと思いました。愛されてる、大事にされてる。そんな人は辞めないし、がんばる、ということだと思うんです。
「師弟は三世」という言葉があるんですよ。私は来世もまた師匠の弟子でいたいです。
著者 笑福亭銀瓶
■定価 1,800円+税
■発行 西日本出版社