11月号
神戸青年会議所
グローバルユース国連大使として世界的課題に挑む女子高生 VOL.9
公益社団法人日本青年会義所が主催する『JCI JAPAN グローバルユース国連大使育成事業(旧JCI JAPAN 少年少女国連大使育成事業)』は、日本が持続可能な社会を実現するために、次代を担う若者を対象にSDGsに対する認識を深め、目標達成に向けて自発的に行動できる人材を育成することを目的とした事業です。今年度は、神戸から2名の高校生が参加されています。その活動についてお話しを伺いました。
JCI JAPAN グローバルユース国連
大使育成事業で次代を担う若者を育てる
―河島委員長、どのような事業でしょうか?
グローバルユース国連大使育成事業は、世界に目を向け国際社会が抱える課題の解決ができる若者を育成する事業です。外務省とUNDP(国連開発計画)の後援を受けて行われています。若い人たちが国際交流を通じて、世界のさまざまな問題や日本が抱える課題を共有し、海外からの参加者と学ぶことで、グローバルに活躍できる人になって欲しいと、10年前から続けられています。意欲がある高校生へのチャンスの場として、これからも続いていくことでしょう。2019年までは実際に国連欧州本部等へ渡航していましたが、今年度はコロナ禍の影響でオンライン開催です。現在のテーマはSDGsで、今年度は全国から47名、うち兵庫県から2名が活動してくれています。
―募集はどのように行われたのでしょうか?
お住まいの地域のJCに申込書を提出いただき、推薦状を付けて日本青年会議所に送付します。後日、英語で志望動機スピーチを1分間の動画にして送ってもらいます。人気があり、たくさんの応募があったと聞いています。日常英会話ができる、未来のリーダーとして挑戦したい意気込みなど、厳しい条件があり、推薦したからといって選ばれるわけではないのです。
―どのような期待をもたれていますか?
実際に現地での経験が豊富な人や問題に直面している人の話を持ち帰り、周りの人に伝えていくことで学びを深め、多くの人に届くことを期待しています。2人が自分のことのように世界的な課題に取り組む姿を見て、事業の成功を実感しています。JCI神戸では、11月例会で2人からの報告会を開く予定です。私たちも気づかされることが多くあると思っています。
私たちの知らない世界を教えてもらい
日本のことも知ってもらいたい
―応募のきっかけは?
この事業に学校の先輩が参加した報告会を見たことです。当時は海外に行けていたこともあって、すごくおもしろそうだなと思い応募しました。
―1分間動画ではどういうことをPRされましたか?
中学3年生の時、社会の授業でベネズエラの貧困問題を知りました。日本は恵まれているなと思ったのをきっかけに、SDGsの中でも1番気にかかる貧困問題と解決策についてのスピーチをしました。
―高校でもSDGsについて学んでいるのですか?
英語や社会、家庭科の授業でもSDGsについて学び、できることから取り組んでいます。
―国連大使として、どのようなことを学ばれましたか?
報告会での伝え方などについて学ばせてもらいました。また、具体的で細かな問題について専門家の話を聞く機会があり、私たちの知らない世界があることを教えてもらいました。例えば、貧困問題に直面している国で支援活動している人の話を聞いたのですが、その国の存在を私は知りませんでしたし、そこで起きている貧困問題のことを初めて知ることができました。
―7月と8月に開催されたWEBサミットでは、どういうことをされたのですか?
サミットは海外の参加者と一緒に英語で話し合い、解決のためのプレゼンテーションをしました。1回目はSDGsについて何ができるか。2回目は、コロナ禍における貧困問題や企業の取り組みについて考えました。海外の人から日本の企業や政府が行っている取り組みについて話そうと提案があり、日本のことも知ってもらえたと思います。
―将来、やりたい仕事などありますか?
まだ考え中ですが、人を助ける仕事をしたいと思っています。子どもが好きなので小児科の医師になれればいいかな。
もっと海外の貧困について考え、
自分自身のSDGsの理解を深めたい
―応募のきっかけは?
中学1年生の時に「少年少女国連大使(本事業の前身)」として、フィリピンの貧困街を訪問し、そこで暮らしている子どもたちの様子を見て、とてもつらく心が痛くなりました。高校生になって、もっと海外の貧困について考え、自分自身のSDGsの理解を深めたいと思い応募しました。
―高校でもSDGsについて学んでいるのですか?
私の学校でもグローバルユース国連大使に応募している先輩が多く、グローバルな人材を育てることに力をいれていると思います。SDGsはとても大切なので、学びを深めるためのイベントを開催したり、有志を募って活動に参加したりもしています。
―今回、国連大使として参加した感想は?
最も心に残ったのは、バングラデシュに留学している大学生の話でした。貧困層の話や写真は、私がフィリピンの貧困街で見た目をそらしたくなるような光景よりもひどい暮らしでした。実際に見て感じたことを教えてもらい、すごく参考になりました。
―WEBサミットでは、どういう課題に取り組まれましたか?
私のグループでは、SDGsの「働きがいも経済成長も」を解決するためのディスカッションをおこないました。国により、価値観や考え方、文化の違いで問題は全く変わってきます。どうすれば世界の問題が解決につながるのかを考えるいい機会になりました。海外では、外国人労働者を雇用するために、他国の文化を取り入れ会社をグローバル化していくことで成長させるのが一般的だそうです。日本では、まだまだ少ないようです。
―将来、やりたい仕事などありますか?
まだきちんと考えることはできていませんが、世界の子どもたちを助けられるような活動を、仕事ではなくてもできればと思っています。