2021年
11月号
11月号
神戸で始まって 神戸で終る ㉑
横尾忠則現代美術館の第4回展は「肖像図鑑」だった。当時新人だった学芸員の林優さんが初めてキュレーションした展覧会だった。
僕の作品にはしばしば有名人の肖像を描き入れることがある。知られている人間の肖像が画面に描き加えられることで、アートが非アートになることがある。芸術至上主義に対する反抗でもある。有名人の肖像画が描かれることで一気に絵が大衆化される。この発想の先駆者的存在は、ポップアートのアンディ・ウォーホルである。ウォーホルは有名人そのものを大衆消費社会のイコンと考えた。つまり有名人を描くことで有名人を商品として見たてた。
美術家 横尾 忠則
1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。横尾忠則現代美術館にて「横尾忠則の恐怖の館」展を開催中。大分県立美術館にて「GENKYO横尾忠則」展を開催する。(12月4日〜2022年1月23日)
http://www.tadanoriyokoo.com