5月号
ゴルフ弾道測定器「トラックマン」で自分のゴルフスタイルを数値化し、さらなる上達を目指す
テレワーク、自粛生活で運動不足を感じる人や、密を避けてスポーツを楽しみたい人などに、注目を集めているスポーツのひとつがゴルフです。
ポートアイランドゴルフクラブ(PIGC)では、最新のゴルフ弾道測定器「トラックマン」を利用したアプリを導入し、初心者から上級者まで一人一人に合ったゴルフスタイルを提案しています。
ゴルフ上達の近道
―「トラックマン」はどのようなマシンですか。
世界中のトッププロも使用するゴルフ弾道測定器で、デンマークの企業がミサイルを追跡する技術を使って開発したマシンです。 専用アプリ「トラックマンレンジ・アプリ」をダウンロードすれば、PIGCの天井などに装備されたセンサーで、打ったボールを追跡し、方向や飛距離などを表示。それらのデータは保存でき、ゴルフのスキルアップにつなげることができます。また、ゴルフ上達に必要な練習メニューも豊富で、ニアピン対決やドライビングコンテストなどCG映像を通してゲームを楽しむこともできます。また、ゴルフ練習場は、練習用ボールしか使用できず、通常のプレミアムボール(試合用)より1割ぐらい飛ばないボールです。そのため練習場では、100ヤードの表示は、実際には100ヤードの位置にありません。トラックマンのアプリは、練習用ボールのデータを、プレミアムボールのデータに変換(調整)して分析されます。利用は無料です。このアプリの導入は、阪神・兵庫県では初となります(西日本では3例目)。
―なぜ「トラックマン」を導入されたのですか。
ゴルフの指導方法にはいろいろな理論があります。私も仕事柄、たくさんのインストラクターと話してきましたが、それぞれに一貫性はあるものの、人によって理論がまったく違います。このように教える人によって理論が違うのはもはや業界内では常識で、ゴルフ雑誌などでは同じ号のなかで真逆の理論を展開していることがよくあります。ボディーターン(身体の回転)が大事という人がいれば、いやいや実は手打ち(腕だけで振る)が正解ですという人がいたり(笑)。それに比べるとトラックマンレンジで解析される数値というのは疑いようがないものです。
今後、スマホで確認できるトラックマンレンジに加え、レッスンにはボックスタイプの解析器「トラックマン4」を導入する予定です。トラックマン4は持ち運び可能のボックスタイプのためコース等に携行でき、飛距離はもちろんボールのスピン量や回転軸、クラブの軌道・入射角、スイングの方向、フェースの開き具合のほか、練習に臨む際の参考になる数値をより広く、明確に教えてくれます。スイングのなかで起きる真実を洗いざらい見せてくれるトラックマン4とトラックマンレンジを合わせて活用すれば、お客様の練習効率を今より格段に向上させることができるに違いないと確信しています。
まずは自分の傾向を把握しよう
―トッププロも使用しているそうですが、一般の方にはどのように活用を?
4月のヤマハレディース葛城で優勝争いを演じ、惜しくも2位だった19才の山下美夢有プロは「昨年購入したトラックマンを使って100ヤード以内の練習を重ねた」と報道されていました。3ヤード刻みで打ち分けられるよう猛練習して、急成長したとのこと。まず、私が導入後にそれを率先して真似したいと思っています。とはいえ、3ヤードで打ち分けるのは大変難しく、トッププロのやることなので、まず5ヤード…いやこれも難しい(笑)。まず10ヤードずつ刻めるよう活用してもらいたいですね。またアプリの記録モードで練習すれば、クラブの番手それぞれの傾向を自動的に分析してくれます。
自分の傾向を正確に把握することは大変大事なことです。なぜならゴルフは飛距離やナイスショットを競うスポーツではなく、「どこにボールを運ぶか」が最も重要であるからです。やみくもに練習するよりスコアアップへの近道になります。ボールを遠くに飛ばすのにクラブを速く振ることは大事ですが、ミート率が低ければ意味がありません。さらにもうひとつ、是非ともトラックマンアプリでID登録し、トラックマンユニバーシティの無料サイト(https://trackmanuniversity.com/)をご覧になってほしい。これはいわば、トラックマンが作っているゴルフの大学のようなものです。そこにはなぜボールが飛ばないのか、低く出るのか、曲がるのか、左に(右に)出るのかの根拠と、トラックマンで出力された数値の意味するところを詳しく解説する資料や動画がたくさんあります。動画は英語ですが、字幕をオンにすれば日本語訳が表示されます。
若い人にももっとゴルフを楽しんでほしい
―これからゴルフを始めたい方に、ゴルフの楽しみはどんなところにあるのでしょう。
一番知ってほしいのはその難しさと奥深さです。今まで、トラックマンのアピールばかりしてきたのに言うのも変な話ですが(笑)、スキルの向上さえすれば結果がともなうというものではないのがゴルフの魅力です。
トラックマンで表現されるような、物理的視点でゴルフを探求することは有効で、楽しいです。しかしいざコースにでると、それ以外に獲得すべき能力や備えなければならない事柄がたくさんでてきます。頭のなかでイメージを描くこと、前向きなマインドをもつこと、同組や後続の人たちへ気を配ることなど、練習で培った技術以外に身につけなければならないことがたくさんでてきます。特別な才能がない限り、一筋縄ではいかないところがゴルフの魅力だと思います。
私はゴルフ歴はそこそこあるものの、大した腕前ではありません。月一回程度行くラウンドでは上手くいかないことに腹を立てたりクヨクヨしたり、準備を怠ったためにリズムを崩したり、そういう自分の未熟なところがよく分かるんです。自分の弱点がプレーに悪影響を及ぼし、足をひっぱっていると感じます。ゴルフは性格がよく出るといいますが、本当にそのとおりだと思っており、私はここに一番の魅力を感じています。これは私の実力が足りていないからということもありますが、むしろ一流であればあるほど、その難しさを理解し、思い通りにいかないことに惹かれているのではないでしょうか。特に若い方にはその「思い通りにいかないこと」と向き合うなかで、自分を高めていくためにも、ゴルフを始めてほしいですね。
■ポートアイランドゴルフ倶楽部(P.I.G.C.)
神戸市中央区港島9-2-5
TEL.078-303-5337
http://www.pigc.jp