4月号
Rhyme of LIFE Spice of SPACE |平尾工務店|chapter 10ステンドグラス
生活に一層の優雅さを添えるパターンとなる家
すなわち、我々が今日暮らしているこの国にふさわしい家
我々の生活の事情に叶った家
近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトが追い求めた
理想と理念を受け継ぎつつ生活にリズムを与えるこだわりの空間を
エスプリとクラフトマンシップを込めて…
芦屋モデルハウス
ガラスは〝奇跡の素材〟
モダニズム建築の境地を切り拓いた世界的建築家、フランク・ロイド・ライトの哲学を正統に継承した、平尾工務店の芦屋モデルハウス。そのエントランスからリビングへ足を進めると、明るいホールへと導かれる。北西2面の窓は連続するステンドグラス。六甲に照り返す陽光が戯れて、アンティークなキャセドラル(透明ガラス)のゆるやかな歪みの波がプリズムを奏で、ケイム(枠)が無垢材の床に幾何学模様の影絵を描く。
このステンドグラスは、「ライトの宝石箱」と評され、芦屋モデルハウスのデザインモチーフでもあるマイヤー・メイ・ハウスのダイニングにあるものと似た意匠と構成。しかも天窓部分には、マイヤー・メイ・ハウスのファサードにあしらわれているスクエアとクロスを合わせたパターンの木組みを配し、より印象的に。さらに、トップライト部分もステンドグラスが彩り、照明の光にほのかな色彩と豊かな表情を添える。
また、主寝室の窓にもステンドグラスを備え、何気なく空間を飾るとともに、外からの視線を遮る機能も持たせている。
ライトは「光から光を取り出して、散乱させ、反射させ、屈折させることができる」ガラスを〝奇跡の素材〟と讃え好んで用いたが、ステンドグラスはその持ち味を最大限に発揮するアイテムであろう。
装飾すれども華飾せず。シンプルでリズミカルなステンドグラスは、建物と一体不可分なデザインパターンを韻律の如く織りなし、空間の美を「詩」のレベルにまで研ぎ澄ませている。