2020年
4月号

WONDER WOMAN in KOBE vol.01|中日輪船商事株式会社 専務取締役 西山 晴美さん

カテゴリ:神戸, 経済人

心と体をきたえて、
すっきりしなやかな女性でありたい

中日輪船商事株式会社 専務取締役 西山 晴美さん

「女性管理職を訪ねて」の新シリーズ。優しく出迎えてくださった西山晴美さんは、可愛らしくチャーミングな大人の女性。穏やかな会話で心地のいいトークタイムを作ってくださいました。実はプライベートでも意外な素顔をお持ちの西山さんにお話を伺います。

―連載第一回目のご登場、ありがとうございます。西山さんは中日輪船商事株式会社の専務取締役としてご活躍です。
弊社は、社員の約半数が女性で、女性管理職の割合も高く、以前から「女性だから」「男性だから」というこだわりのない会社なんです。取引先の中国の会社などではもっとたくさんの割合で女性管理職がいらっしゃいますし、社内には外国籍のスタッフもいて、女性が上に立つことへの抵抗は、男性を含めてあまりないような気がします。

―女性が活躍する企業と聞くと、つい女性らしい仕事内容をイメージしてしまいます。
いえいえ(笑)、弊社は船舶用機器と産業機器の卸売業を行っている商社ですので、どちらかというと「男の世界」ですね。
創業は約100年前ですが、二代目の頃に中国船社「招商局」の船舶修繕を斡旋し、船舶の取扱いが増加、その後船舶用専門商社として現在に至っています。最近は、世界的な環境問題への高まりから、米国製の船舶用SOxスクラバー(硫黄化酸化物を除去する排ガスシステム)の日本代理店業も新事業としてスタートさせています。

―普段は主にどのような仕事をされていますか。
私は管理部門で、専務としての社長補佐や、総務・経理・人事、営業以外のことは何でもやります。部のメンバーはほぼ女性で、男性は最近入社した一人だけなんです。皆がすごくしっかりしているので支えられて仕事ができています。

―入社のきっかけは。
神戸ロータリークラブの事務局にいたことが縁で、退職後に社長にお声がけいただきました。入社当時は一般職採用で、秘書兼総務の事務職としてスタートしました。

―8年前に取締役、4年前に専務に抜擢されたとのことですが、その時はどう思われましたか。
その時は「向いてない」と何度もお断りしました。私自身、働くことは好きですが、前に出てリーダーをしたり、商社の最前線である営業部をさしおいて、管理部の私が前に出るのはどうかと悩みました。

―どのように決断されたのですか。
会社全体のバランスを見たときにそれが一番いいという意図が社長にもあったのでしょうか、ひいていただけませんでした(笑)。
でも最終的には、「やりなさい」と人に言われるのは、自分にも何かお役に立てることがあるからだと決意しました。役職というのは社内の役割のひとつにすぎなくて、なったから偉いとかじゃないと思うんです。なにかタイミングのようなもので、「ご縁」なのかなと。それに元来、能天気なところがあるのでなんとかなるかなと思いました(笑)。

―仕事で大切にされていることは何ですか。
自分の成功体験からの思い込みにとらわれず、フラットに物事を考えることですね。
例えば新しい若い人たちから、自分の想定外の斬新な意見が出た場合でも「それは難しい」とすぐに判断してしまわず、もしかしたらそこに光るものがあるのではと考えるようにしています。今の若い人たちと私たちの年代とでは働き方や仕事に対する考え方も全然違うので、相手の話をよく聞くことも心掛けています。

―そういうお考えは年を重ねたからできるというものではないと思います。
社長には「僕には厳しい」っていつも言われるんですけど、みんなには優しく(笑)。
でも私の一番大事な役割は、社長に社内の空気はこうですよと実情を伝えることだと思っています。というかむしろ、自分ができることはそれしかないと思っています。

―信頼関係ですね。
言いたいことを言わせてくれている社長の器が大きいのだと思います。

―仕事が忙しいと切り替えというか、プライベートも大切にされていると思いますが。
実は3、4年前からボディメイクを始めて、コンテストに出場したりしています。

―わあ!ビキニ姿、美しい!学生時代にもモデルとかをされていたんですか。
とんでもない!学生時代はバレーボール部で。ビキニなんて若いときにも着たことなかったのに、自分でもどうしてこんなことになってるのか…。

―きっかけがあったのですか。
はじめは、ちょっと太ったのでダイエットをしようかなと、筋トレと糖質制限をしていたんです。でも、ある程度体重を戻して筋トレしていても目標がなくなってしまって。友達が出場するというので私も出てみようかなと初めは軽い気持ちでした。
ベストボディジャパンという大会で、地方大会で2位に入るとすすむことができる日本大会に、3年連続で出場させていただきました。

―ボディメイクを始めて気持ちに変化はありましたか。
なにより仕事以外の交友関係が広がったのがよかったです。体を鍛えて美しさを競う戦いなので若い方でも大変努力をされていますが、50代でこの舞台に出るということは、ものすごく皆さん努力家なんです。絶対頑張らないと出られない。いろんな業種でキャリアを積んでこられた方や主婦業で子育てをしてこられた方など、両立しながら頑張っている姿が刺激になります。
体を動かしていると、嫌でもほかのことに気持ちが切り替わるのですっきりします。ウォーキングやポージングのレッスンを受けたり、ヘアメイクや美容について知識を得るのも楽しいですね。

―仕事以外にもう一つ頑張れる舞台があるって素敵です。でも、楽しく息抜きという趣味とは違いますね。
食事制限や筋トレなど、その時はしんどいけど、向かった先に大きな喜びが待っていて、トータルすると楽しく充実しているってなんか「部活」みたいですね(笑)。

―ご主人の反応はいかがですか。
太った時も痩せても全然わかってなくて(笑)。でも、目標をもってやってるのはいいんじゃないって言ってくれています。平日は仕事で遅くてゆっくりできないのに、土日も私がシャカシャカでかけていくこともあるので、ホントは迷惑してるかも。大会前なんて特に食事制限とか根を詰めてしまうので、ボディメイクの仲間たちとは、「周りの方々の協力がありがたいよね」って話してます。

―やはり食べ物にはかなり気を使われますか?
コンテスト前の調整に入るとお昼も野菜スープとゆでたまごとか。お酒は飲まないのですが、甘いものが大好きでやめられないんです。食べられなくて苦しいからラカントで代用したり、最近はプロテインとかもおいしいものがあるので、それで調整しています。

―西山さんでもそんな意志が弱い部分があると聞いて、少しホッとしました。
ありますよ。明日から、明日から、と最後に焦るのがいつものパターンです。

―女性として理想はありますか?
年を取ったからって衰えを年齢のせいにせず、いつまでもはつらつとしていたいです。かといって自然にあらがって、無理に若作りしたくはない。
そう言いながら、ボディメイク自体がすごく自然に反してるんですけど(笑)。

―自然に年齢を受け入れるだけだと落ちていくし、まったくあらがわないというのも難しいものですね。
そうですよね。適度なあらがいは、身だしなみを整えるのといっしょで、必要かも。
私の場合は、筋力がついたら体を動かすのがすごく楽になりました。今後も、気持ちも体もすっきりと、を心がけて生きていきたいです。

―心と体の断捨離、いいですね。


【プロフィール】

西山 晴美(にしやま はるみ)

1967年生まれ、52歳。神戸市出身。本名、横山晴美。幼稚園教諭、ロータリークラブの事務局を経て、1999年に中日輪船商事㈱に入社。現在に至る
☆あこがれの女性☆
石田ゆり子さんってずっと好きなんです。清潔感と透明感があってすてきですよね。
☆お気に入りコスメ☆
NARSのチークが好きです。
☆神戸にあるお気に入りのお店☆
阪急六甲駅からすぐのピザ屋さんPizzeria Calmoのピザは大好きです。弊社に近い、鯉川筋沿いのcafe clothoは、ランチに。新鮮なお野菜がたくさんいただけます。

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