1月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: ばんばひろふみさん
(ミュージシャン)
私が作家になるきっかけを作ってくれたのはラジオの深夜放送。インターネットやゲームのない時代でしたから、寝る前に本を読んだりラジオを聴いたりして、一日の終わりをまったりと過ごしていました。深夜放送への投稿が好きで、レギュラーのように読まれていた番組もたくさんあり、それが今の私の土台になっていると思います。ばんばひろふみさんは私の大好きな深夜放送でパーソナリティーを当時担当していて、いろんな知識をお持ちで真面目な話から下ネタまで、本当に楽しい話をしてくれました。青春時代の思い出の方です。ラジオ関西さんでお会いしてきました。
「初めまして。私は若い時にずっと、ばんばさんのラジオ聞いていました」「あいたっ~(笑) そうですか~」「このラジオ関西でのレギュラー番組は何年目ですか?」「震災の年からですから十六年になりますね」「そうなんですか~ それまで神戸とのかかわりみたいなことは?」「ラジオ関西という放送局は、昔からフォークに大変理解のある放送局で、ボクらがまだアマチュアの時からレコードかけてもらったりとか、プロになって売れてない頃にレギュラー番組をもらったりとか、もう四十年ぐらいの付き合いです」
「どうですか神戸という街は?」「ボクの場合は震災前の神戸と今の神戸を知っていますから、震災前はそれはそれで風情があって素敵な街でしたが、震災後は破壊された街を頑張って作ってきましたよね。うまく作ってきたなぁ~って感じがしますね」「よく行かれるのは?」「飲み屋(笑) 三宮・元町・長田あたりの飲み屋さんにはよく行きますね」「お忙しいので、あまり神戸の街を見ずに仕事が終わったらとんぼ返りかと思っていました」「それが、ありがたいことに朝の早い番組なので前日からホテルに泊まっているんですよ。夜になってしまいますが、番組のスタッフたちといろんなところに行ってますね。その取ってもらっているホテルがずっと同じ部屋なんです。そこから見える海とかは本当にいいですね」
「ばんばさんは京都の方ですが、神戸はどんなイメージがありましたか?」「決定的な違いは、やはり海があるかないかということですね。京都は盆地ですよね。盆地は盆地の閉鎖的な落ち着きみたいなものがあっていいのですが、神戸はやはり海がある開放感がいいですね。常に風が流れている心地よさがありますね。京都は風がよどんでますから(笑)」
「番組はどんな感じですか?」「震災後すぐのスタートで、馬鹿話でガハハハっと笑うような番組があってもいいかなぁと始めましたが、不謹慎って言われるのではと正直怖かったです。でも凄く支持していただいて時間や曜日を変えて続けてきました。雰囲気は早朝の深夜放送という感じですね」
初めてお会いしましたが、楽しくて、よく笑い、知識が豊富で昔ラジオで聞いていた、あのバンバンと一緒でした。地元の京都でワンちゃんの店をやっているそうで、店に出ることも多いそうです。なぜ犬かとお聞きすると、前の奥さんは猫好きで、今の奥さんが犬好きだからということだそうです(笑) 若い頃に会いたかった方がこんなに近くにいるとは。またぜひお会いしたいですね。
ばんばひろふみ
愛称バンバン。京都出身
「いちご白書をもう一度」「SACHIKO」などのヒットを持ち、数多くのテレビ・ラジオの司会などをこなすマルチミュージシャン。愛犬の健康と介護を考えるお店「愛犬倶楽部わん」を京都市中京区にオープン。
■ラジオ関西番組
「ばんばひろふみ ラジオ DEしょー!」
毎週金曜日 午前9時~
■ばんばひろふみ コンサート2012 ~風にむかって~
2012年1月21日(土)17時開演
【会場】 大淀町文化会館 あらかしホール(奈良県吉野郡大淀町)
【料金】 全席指定¥3,500 (税込)※未就学児入場不可
【お問い合せ】大淀町文化会館 TEL.0747-54-2110
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科