2012年
6月号
6月号
神戸の婦人帽子店 「マキシン」が 70周年記念誌を発行
昭和15年に、神戸の地で産声をあげた婦人帽子店「マキシン」が、この度創業70周年を機に記念誌を刊行した。戦後、ファッションが大衆化する中で、エレガントなマキシンは女性たちの憧れのまなざしを受けるように。また、大阪万博でも文化遺産としてタイムカプセルの収蔵品に選ばれ、脚光を浴びた。
その後、創業者・渡邊利武の息子である渡邊浩康が昭和59年に社長に就任。オリンピック選手団や航空会社などから制帽の依頼も多くうけ、婦人帽子・マキシンは広く知られるようになった。しかし、平成4年に浩康が急逝。急遽、現社長・渡邊百合が社長を引き継ぐこととなった。「それから20年を経て、従業員も世代交代が進み、マキシンの歴史や歩みについて知る者は少なくなりつつあります。そこで、礎を築いた創業者・利武、2代目・浩康が残した足跡を後世に伝えるため、創業70年を経て、記念誌を発刊いたしました。」
マキシンはラテン語の最高や最上を意味するMaximumに由来している。最上の技術、最高の素材で顧客に最大限のホスピタリティを尽くすという自負とこだわり。その心根が現在にまで息づいているからこそ、長年にわたり愛され続けてきたのだろう。この記念誌では、マキシンの作品画像をふんだんに紹介しており、まったく肩のこらない、見ていて楽しい構成となっている。70年間のファッションの変遷をつづった珠玉の一冊。