9月号
さきどり、 秋のマーケティング情報 ホテルクラウンパレス神戸
誕生 フルサービスホテル
ホテルクラウンパレス神戸 営業統括総支配人
山本 裕之さん
7月26日、「ホテルクラウンパレス神戸」がオープン。ハーバーランドの玄関口に明かりがともり、また賑わいが戻ってきた。どんなホテル?山本総支配人に伺った。
―長い間クローズドされていた建物がどうなるのかは、神戸っ子たちも心配していました。立派なホテルがオープンしてホッとしているところです。
山本 ありがとうございます。皆さんにそう言っていただいています。JR神戸駅から真正面に見える建物ですから随分寂しい感じがしていたんですね。「明かりが点きましたね!」と言っていただき、8月8日には地下1階のレストランもオープンし、人で賑わい、「良かった」と言っていただきました。私共も嬉しく思っています。
―フルサービスを提供するホテルということですが、どういう意味なのですか。
山本 宿泊だけでなく、地域の皆さんにもご利用いただけるようにお手頃価格のレストランを備え、結婚式でもお客様本位のニーズに応え、高い格調の中にも親しみやすさがあふれる色々なサービスを提供できるホテルという意味合いがあります。
―まさに、ハーバーランドに明かりを灯したのですね。
山本 震災以降、ハーバーランドも低迷していましたが、来年にはにイオンさんもやって来られますし、アンパンマンミュージアムもオープンするそうですね。かなりの集客力になると思います。ハーバーランド一帯が活性化してくると、神戸全体の活性化の起爆剤にもなるでしょう。その玄関口ですから、皆さんの期待にお応えできるホテルにしたいと考えています。
―ホテルクラウンパレス神戸はHMI(ホテルマネージメントインターナショナル)グループですが、本社は神戸ということですね。
山本 実際の企業拠点は東京なのですが、社長の思い入れがあり登記簿上の本社はずっと神戸に置いています。HMIグループにはホテル、旅館など全国に50以上の施設があり、「ホテルクラウンパレス」はグループ内最上級ブランドのフルサービスホテルです。
―ポジティブドリームパーソンズ(PDP)との関係は。
山本 PDPは東京に本社を置き、主にウェディングのプロデュースを得意とする会社です。今回初めて、神戸でパートナーを組ませていただきました。5・6階の宴会場、17階のレストラン、1階のコーヒーショップを「THE MARCUS SQUARE KOBE(ザ マーカススクエア神戸)」(TMS)として運営していただいています。
―クラウンパレス神戸のウェディングの特徴は。
山本 TMSのコンセプトが「世界のクールモダンを日本へ」。つまり、海外のトレンドをPDP流に再編集し、インテリアやメニューなどに反映させるということです。宴会場やロビー装飾から照明に至るまで、色々な工夫が見られます。斬新でスタイリッシュ!「あっ!」と目を引きますよ。
―ウェディングだけでなく、宴会利用も多いのでは。
山本 以前から地元の皆さんの宴会利用が多いと聞いています。私共も営業活動には力を入れていきたいと考えています。
―ホテルの楽しみ方の一つは、やはり「食」。クラウンパレスのレストランの魅力を教えてください。
山本 地下1階和食の「七福」はビュッフェ中心のレストランです。洋食ビュッフェはたくさんありますが、和食は珍しいのでは。優しい味付けでヘルシー。デザートもたくさん用意していますので、特に女性のお客さまには喜んでいただけると思います。同じく地下1階の中華レストランが「マンダリンコート」。神戸には美味しい中華のレストランが多く、それぞれ四川、上海、北京など特徴を持っておられますので、競合するのは難しい土地柄です。そこで、マンダリンコートでは本格的な広東料理を基本とした上で、もう少しアジア全般に範囲を広げています。例えば、ベトナム風生春巻やフォー、ナシゴレンなど、若干エスニックなお料理もお出ししています。17階の「グリルテーブル」は、お料理はもちろんですが、神戸の海と山、両方の景観を楽しんでいたける開放感溢れるレストランです。
―宿泊ではどういったマーケティングをしていく予定ですか。
山本 この周辺には神戸を代表する大企業さんのご本社や造船所・工場が多くあります。私共にとっては大きなターゲットですから、お得意さまになっていただけるような営業戦略を進めようとしています。ビジネスのお客さまにとっては、客室のインターネットは大事な要素です。各部屋にはLANケーブルの高速インターネットとWi‐Fiと両方を整備しています。またゆっくりおくつろぎいただけるよう全室にシモンズ社のベッドをご用意しています。
―観光客に対しては。
山本 ハーバーランドは週末になると観光のお客さまが増え、ガラッと雰囲気が変わります。客室改装の際は、ツインのお部屋にソファーベッドをご用意できるようにしました。また、ベッドも幅の広いものを用意していますので、ご家族でもご利用いただけるようにしています。4つのベッドを入れることが可能なファミリースイートも用意しています。平日はビジネスのお客さま、週末は観光のお客さまにご利用いただけるのが理想の形ですね。そのためのパッケージ商品も色々企画し、7階には新たにスパを開設し、女性用には21メートルの大浴槽を用意しました。
―ホテル業界で長年の経験をお持ちの山本さんですが、それをどのように生かしていこうとお考えですか。
山本 私もそろそろホテルの集大成をしたいと考える年齢になりました。当ホテルオープンの際は「こんなホテルにしたい」という思いがありましたので、内装などに色々と意見を入れていただきました。いい部屋ができたと思っていますが、問題はこれからお客さまがどう評価されるかです。
―ハーバーランドはいかがですか。
山本 ハーバーランドはまだ20周年ですが、この近辺は古くからある街だからでしょうか、人情が厚く、コミュニティーがとても近いんですね。ハーバーランド運営協議会はもちろんですが、地元の婦人会、老人会、商店会の皆さんなど、ご近所付き合いが既に始まっています。そういった方々とお話しさせていただきながら、地域に根ざしたホテルにしていきたいと思っています。
―これからですね!
山本 はい。一つは地域に根ざしたホテル、もう一つは海外も含めた外に向けて色々なチャネルを使いながら集客していくことも大事だと思っています。
―楽しみにしています。本日はありがとうございました。
山本 裕之(やまもと ひろゆき)
ホテルクラウンパレス神戸
営業統括総支配人
1954年北海道小樽市生まれ。1977年京都外国語大学卒業。海外旅行添乗員として社会人デビュー。1980年からホテルマンとして経験を重ね外資系ホテルのセールスアンドマーケティング部長、宿泊部長などを務める。2012年、HMIホテルグループ「ホテルクラウンパレス神戸」営業総括支配人に就任。