4月号
親も子も “賢く”なろう |Vol.01
家庭で子どもと話をしよう
話の題材は日常に溢れている
世の中の親御さんはみんな「賢い子に育てたい」と思っています。では〝賢い〟とはどういうことでしょうか?
幼児期から九九を教え込み、覚えたら賢くなったと親御さんは安心します。もちろん成長期の脳を鍛えるのは良いことです。でも、子どもは知識として詰め込まれるだけで、役にも立たないからちっとも楽しくない。ではどうしたらいいのか?例えばスーパーへ一緒に買い物に行き、「80円のりんごを2個買うといくらかな?」と問いかけてください。「80×2?2×80?」。子どもは一生懸命考えます。こんな日常的なことで十分です。「毎日、買い物には行っていられない」と言われるかもしれません。いいえ、子どもと話をする題材は日常に溢れています。どこかへ行く道すがら、「〇〇のお花が咲いたね」と話しかけると、子どもは花の名前や咲く季節など複数の知識を得ます。翌年その子が「もうすぐ〇〇の花が咲くね」とお話ができれば最高です。
とにかく子どもと話すこと。どんなにたくさんの知識があっても、コミュニケーションがとれない人は実社会では生きていけません。子どもはいずれ必ず一人で社会へと出ていかなくてはならないのですから。
なぜ、かめはうさぎに
声をかけなかったのか
学校での〝賢さ〟の認識も変わってきています。入試を例にとっても、知識を問うだけでなく思考力が問われます。では、思考力を鍛える塾に通わさなくてはいけないのでしょうか?決してそういうわけではなく、本来、思考力は家庭での親子関係で培われていくはずのものです。
どうしたらいいのか分からないというのならクイズ形式でも構いません。「うさぎとかめ」のお話で「かめは寝ているうさぎになぜ声をかけなかったのでしょう」。大人は「競争だから」と答えるでしょうね。正解などないんです。ある子どもは思考力を働かせ、「うさぎは岩の上で寝ていて、低い所を歩いているかめには見えなかった」と答えました。素晴らしい。「いえいえ、うちの子の思考力が一番に決まっている」。親御さんの気持ちは分かりますが、賢さを求められているのは親御さんも同じなのです。
(つづく)