2019年
4月号
4月号
連載コラム 「続・第二のプレイボール」 |Vol.6
関西からプロ野球選手を育てたい 猛牛戦士・村田辰美さん
文・写真/岡力<コラムニスト>
引退後にさまざまな世界で活躍する元プロ野球選手の「今」をご紹介します。
「おごらず、怯まず、謙虚な姿勢で取り組みたい」。昨年11月、村上隆行さんからタスキを預かりプロ野独立リーグ「06BULLS」(ゼロロクブルズ)の監督に就任した村田辰美さん。東大阪を拠点に「ブルズ」(雄牛)は、かつて関西を沸かせた近鉄バファローズの意志を受け継ぐ。
秋田県横手市出身、自宅そばにあったグランドが遊び場だった。幼少期、兄の影響で野球を始め「強豪をやっつけたい」という思いから地元の県立六郷高校へ進学した。高校時代、1試合18奪三振という記録をつくり注目を集める。卒業後は、名門・三菱自動車川崎に入社。都市対抗での活躍が目に留まり1974年のドラフトで近鉄バファローズより2位指名を受け入団する。名将・西本幸雄監督による厳しい指導のもと79年には二桁勝利を挙げリーグ優勝に導く。86年、88年にも二桁勝利をあげチームを牽引した。その後、横浜大洋ホエールズに移籍したが練習中に肩を故障し現役生活を終えた。
引退後は、在阪局の解説者として活躍。「ゲームには流れがある。流れを変える一球の重みについて考えながら話している」。その想像を膨らます見解は、多くの野球ファンを魅了し続けている。一方、15年前よりこれまでの実績を活かし加圧トレーニングジムを開設。老若男女問わず献身的な施術を行っている。
今年2月に宝塚医療大学で行われたキャンプでは「年中夢求」をスローガンに選手の意識改革、モチベーション向上に力を注いだ。球春到来、村田さん率いる雄牛軍団の活躍に期待したい。