3月号
神戸のカクシボタン 第六十三回 名店の〆に出てきた意外なメニュー 炭火焼肉ハマン
写真/文 岡 力
数多くの焼肉店が点在する京阪神エリア。味、値段、サービスと何かにつけこだわる美食家が集結する激戦区である。阪急武庫之荘駅から徒歩すぐの場所に創業23年「炭火焼肉ハマン」はある。店名は、韓国の南部に位置する緑豊かで美しい街に由来。オシャレな赤レンガの外観、店内には各界を代表する著名人の色紙がズラリと並ぶ。各テーブルには炭火を使用した無煙ロースターを完備。店奥の厨房で手際よく切り盛りするのがオーナーの金亮健さんだ。
「まずは、塩タン!」と言いたいところだがタンだけでもキムチネギをはじめ7種ある味付けに頭を悩ます。中でもにんにくバターは女性客に大人気の逸品である。
定番のロース、カルビ、ハラミは部位ごとに仕入れ先を変えておりどれも上質な味わい。塩焼きホルモンも驚くほど柔らかい。箸休めのイカフェ、もやしナムル、センマイといったサイドメニューもしっかり脇を固めている。
そして焼肉店で〆と言えば迷わず「冷麺!」だが…ここでは、「特製ハマンうどん」を是非注文して欲しい。優しい口当たりと程よい辛さの温スープに冷麺と同じ原料で製造したうどんが見事に調和している。チュルチュルとした食感とのど越しはヤミツキになる美味さである。完全燃焼した炭を前に手を合わせて「ごちそうさまでした」。最初から最後まで細部にわたるこだわりでお腹も心も満たされた。
■炭火焼肉ハマン
兵庫県尼崎市武庫之荘1-7-5
営業時間 17時~23時
TEL.06・6435・1111
http://sumibiyakiniku-haman.com/index.html
■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載・レギュラー「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「大人の社会見学」(大阪スポーツ)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)