10月号
地域が子どもたちを見守る おらが街の小学校
魚崎小学校は明治6年に創設されましたので、創立141年を迎えます。神戸市内では2番目に古い小学校です。現在児童数は1403名で、全国で2番目です。以前にはもっと多くの児童がいた時代があり、最盛期の昭和32年には2532名も通っていたそうです。
交通至便で生活環境が良く、子育て世代に人気のエリアなのでこれだけの大規模校になった訳ですが、普通は新しく学校を作って分割します。しかし、魚崎地域はそれを望まない風潮が強いのです。というのも、魚崎小学校はもともと魚崎村立・魚崎町立の学校で、地域の人の愛着が強い「おらが街の小学校」なのですよ。むしろ「日本一のマンモス校を目指せ!」という声があがるくらいです(笑)。
平成13年に建て替えられた現在の校舎は、昭和5年建築の前校舎のデザインを継承しています。上から見ると飛行機のイメージです。また、全国でも珍しい50mプールを備えています。50mプールを作ったはっきりした理由は分かりません。昭和19年に町内会や地元有志の寄付でプールを作った当時には、プールそのものをもっている学校があまりなく先例がなかったため、大会にも使用できるサイズになったのではないかと推測しています。更新時もそのサイズを継承しました。
大規模校ゆえ教育指針を重視し、生活面から授業に至るまで「魚崎スタンダード」を定めて共通理解の上に教育をおこなっています。また、「どんにんぽかもく」を合い言葉にどんどんあいさつ、にんにん(忍々=静かに)歩き、ぽかぽか(温かい)ことば、もくもく(黙々)清掃を励行しています。
魚崎には学校と家庭と地域が一体となった教育環境があると思います。魚崎小の子どもたちは少しおとなしいけれど素直な子どもが多いですね。親子三代魚崎小というご家庭も多く、地域で子どもを育んでいこうとい意識があります。だんじりや夏祭り、地域活動などを通じ、世代を越えた交流も盛んです。学校としても酒蔵見学など地域学習のみならず、コミュニティや防災の拠点としても地域との連携を深めていきたいですね。
神戸市立魚崎小学校
神戸市東灘区魚崎中町4-10-8
TEL.078-411-6196