2016年
5月号
5月号
ぶらり私のKOBE散歩|海辺にて神戸の過去・現在・未来を思う
植木 砂織
<学校法人育成学園 神戸国際調理製菓専門学校 理事長・学校長>
私は兵庫県伊丹市の出身ですが、阪神間で育った両親に連れられて、幼い頃から休日は三宮や元町によく足を運びました。買い物をしたり海辺を散歩したりと、おしゃれをして神戸へ出かけるのが楽しみのひとつでした。
縁あって神戸で仕事をするようになり30年、栄町通に新校舎を建てて12年。窓からは六甲山と神戸港が見えます。近くに南京町や、おいしいケーキ屋さんや、大丸神戸店があり、申し分のないロケーション。
学校の前の道をまっすぐ南に下り歩くこと10分、メリケンパークに到着します。岸壁で真っ先に目に付くのは神戸港震災メモリアルパーク。当時のままの傾いた外灯、壊れた波止場。ふと、胸が締めつけられます。沈んだコンクリートにもずいぶん苔が生え、時の流れを感じます。最近では対岸にできた美しい温泉施設を眺めて、瞬間移動出来たらなあと思いながら海風に身を委ねます。
今年は開港150年。海辺で過去・現在・未来、いろんな思いを巡らすのもよいのではないでしょうか。
植木 砂織(うえき さおり)
「エコールCP」の愛称で親しまれている調理と製菓の学校で、未来のシェフ、パティシエを育成。学園運営とともに、2002年「神戸スローフード協会」を設立するなど、日本の食文化の未来を見据えた活動を展開している
この度の九州地方で発生しました震災におきまして、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早いご復旧をお祈りいたします。