6月号
女性たちが夢を持って輝くために
〈神戸商工会議所女性会 会長〉 磯田 弘子さん
女性経営者が集い、活発な活動を行っている神戸商工会議所女性会。3年前に会長に就任し、2期目をつとめる磯田弘子会長に、女性会の活動や社会での女性の活躍についてのお話をうかがいました。
―女性会会長に就任されてからの活動で、心に残っていることは何ですか。
やはり昨年10月に開催された、全国商工会議所女性会連合会(以下全商女性連)の神戸総会です。総会は藤浪芳子委員長はじめ実行委員会の皆様が奔走され、とても心に残る総会になりました。私自身は、全国からお客様をお迎えするにあたり本体が魅力ある会でなくてはならないと思い、神戸の女性会での活動をしっかりと行うことに努めました。
総会では、女性が輝いて活躍し、子育てに優しい地域の実現に向けての「神戸アピール」が採択されました。これは全商女性連の山崎登美子会長のもとで纏められたもので、「女性の活躍推進」「結婚・子育て意識の醸成」「地域資源を活用した地域活性化」の3つの活動を柱とする全国の女性会の決意です。このたび「女性の活躍推進・少子化対策」に関して、財務省と内閣府と全商女性連各代表との意見交換会が5月に東京で開催されることになり、私も参加させていただくのですが、安倍首相が掲げる“女性が輝く社会”は女性の活躍によって日本がもっと明るくなるということだと思いますので、働く女性たちが集う全商女性連の意見をぜひ活かしていただきたいです。
―磯田会長ご自身にとって、商工会議所女性会とはどのような活動ですか。
私はもともと主婦で、主人が49歳で亡くなりました後に共栄印刷株式会社を継ぎましたから、突然ビジネスの世界に入ることになりました。そんな中で、長く企業の代表を務めてこられた女性経営者の方、諸先輩方からのアドバイスは本当に貴重なものであり、また同じ立場の友人・仲間たちに悩みを打ち明け、わかちあえることは大きな喜びでした。社長に就任したばかりの頃は、義理の祖母の介護もしておりましから、毎朝ヘルパーさんをお願いした後で、会社へは始業より少し遅く出社していたのです。そんなときに当時の営業部長から、「社長も始業前の朝礼に参加してほしい」と言われましてね、先輩にそれを申し上げたら「そんなふうに社員に言われるなんて、とても嬉しいことですよ」とおっしゃっていただき、ハッとしました。そんなことをいろいろ気付かせていただきました。
私どもの社内を見ましても女性が頑張っていますね。どちらかといえば女性の方が、選んだ仕事に責任を持って長く続けている方が多い気がします。私も社長になった直後から方々に営業にまわり新規開拓もたくさんしてきました。女性には女性ならではの能力をどんどん活かしていただきたいと思います。
―来年5月に会長としての任期を終えられますが、今後はどのようなことをお考えですか。
任期満了後は、神戸の女性会がますます発展していくように後方支援を行いたいと思います。
あわせて、本業におきましては私ども共栄印刷は今年95周年を迎えさせていただきまして、100年に向けて現状に甘んずることなく次の一手を考えていかなければと思います。私の仕事上でのモットーは『基本を大切に、周辺をおろそかにしない』ですので印刷業が厳しい時代である現在、基本的な仕事の本質は守りつつ研修や見学会、セミナーなど社員教育を行い、新しい時代の印刷の可能性を追求していきたいと思います。
それから微力ではありますが私の大好きな神戸、兵庫のためにできることがあればお手伝いしたいと考えています。
神戸商工会議所女性会は、セミナーや新入会員の発表会、各界のリーダーの講演会、納涼会・新年会などの懇親会や、近畿並びに全国女性会との交流会などの活動を行っております。女性の経営者、または役員の皆様は自己研鑽や神戸のためにぜひ女性会にご入会いただきたいと思います。
磯田弘子(いそだ ひろこ)
神戸市生まれ、神戸女学院大学卒業。
1991年共栄印刷有限会社代表取締役に就任。1997年共栄印刷株式会社に組織変更。2012年神戸商工会議所女性会会長に就任。現在、全国商工会議所女性会連合会副会長、兵庫県印刷工業組合副理事長など。