3月号
harmony(はーもにぃ) Vol.61 戦争をやめた人たち
絵本作家の鈴木まもるさんの「戦争をやめた人たち~1914年のクリスマス休戦」という絵本が出版されました。(あすなろ書房 2022年5月刊)
これは第一次世界大戦のとき、ドイツ軍とイギリス軍が鉄条網をはさんで塹壕を掘り、対峙していたときの12月24日のクリスマスイブに起こった実話です。
疲れ果てていたドイツ軍の兵士から誰ともなく「きよしこの夜」の歌がでて、兵士たちがそれに続いて歌い始めたところ、その歌声が遠くから聞こえてきました。敵対していたイギリスの兵士たちもそれに呼応して「きよしこの夜」の歌声が上がり、終わると両軍から拍手が起こりました。
続いて「もろびと こぞりて」をドイツ軍が歌うとイギリス軍も同様に歌い始め、終わるとまた双方から拍手が起こり、次々と歌声が続き夜が更けていきました。
翌日のクリスマスの朝、一人のドイツ兵士が銃を置き、両手を挙げて塹壕から出てくると、イギリス軍の兵士も一人が銃を置いて両手を挙げ塹壕から出てきました。二人の兵士は両軍を分けていた鉄条網に近づき、出合うと握手をしました。
それを見た両軍の兵士たちは塹壕から出て近づいて挨拶をし、食物を分け合ったり、家族の写真を見せ合ってふるさとの話を交わしたり、また、衣類を丸めてひもで縛り、それをボールにしてサッカーをしました。
夜になるとそれぞれ別れの挨拶をして塹壕に帰りました。翌日から両軍の兵士は戦うのをやめたのです。
鈴木まもるさんがこの絵本のあとがきの絵を描いているときにロシアによるウクライナへの侵攻が始まりました。『まだ戦争を始める現実に愕然としつつ、戦争よりも強い人の優しさと想像力が描きたくて、絵本を完成させました』と書いています。
ロシアの侵攻から1年あまり。まだ戦争は続いています。
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