12月号
木のすまいプロジェクト|平尾工務店|木材編|Vol.6 製材
失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。
連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。
製材
今回も林業の仕事を、平尾工務店が構造材に使用している紀州材を例にご紹介します。
貯木場で丸太のまま保管されていた材木は製材工場に運ばれ、まずは専用の機械で表皮を剥ぎます。剥いだ樹皮はバイオマス燃料として活用、後述する乾燥工程の熱源になります。
続いて丸太を四角い形に加工。まっすぐで曲がらない材にするには高度な技術が必要で、職人が1本ずつ木のクセを見極め、大きな材は職人が木挽きし、小さな材は高性能自動製材システムで加工していきます。
製材の後は乾燥です。杉材は檜材より乾燥が難しいといわれていますが、高温蒸気式減圧乾燥機により高度な乾燥技術を実現、圧力を最大0・2気圧まで下げて水の沸点を下げることで低い温度での乾燥が可能になり、大きな材でもしっかり水分を抜け、割れや劣化を防いで強度や色合いも保ちます。
乾燥後は仕上げのモルダー加工です。コンピュータ制御により0・1mm単位の精度で4面同時に成形し、さらに削りあげて表面をなめらかにします。
加工後は熟練の職人が1本1本目視で木目や節の検査をおこない、割れ、虫害、反りなどの不具合がないかチェック。さらにマイクロ波含水率測定器により木材を透過したマイクロ波の減衰率を計測して含水量を計測、続いて動的ヤング係数測定器により木材を打撃しその振動の周波数から強度を測定し、検査結果は材木に印字されます。検査合格品には日本農林規格(JAS)に従い、寸法・樹種・産地を表示します。
自然素材リノベーション │ 神戸ギャラリー
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