1月号
harmony(はーもにぃ) Vol.35 ホセ・ムヒカ前大統領のメッセージ
世界一貧しい大統領として知られているウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(85)が持病と高齢のため昨年10月に政界から引退しました。ムヒカ大統領の名前が世界に広く知られるようになったのは2012年に行われた国連会議でのスピーチでした。
「貧しい人とは、少ししか持っていない人ではなく、もっともっとと、いくらあっても満足しない人のことです。もしドイツ人が一家族毎に持っているほどの車をインド人もまた持つとしたら、この地球はどうなってしまうのでしょうか?私達は発展するためにこの地球にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。」
このスピーチは多くの人の心を打ちました。
ムヒカ前大統領の資産は中古の車1台。月収は10万。100万円の収入の9割を福祉に寄付していました。彼は7歳の時に父を亡くし、極貧生活を送ります。「貧しい人を救いたい」という思いで1962年にゲリラ戦に加わり、富を独占する企業を標的に戦い、捕らえられて9年間独房に投獄されます。しかし、彼は「暴力では社会を変えられない」と考え政治に取り組むようになります。
「豊かになると、失うことへの恐怖が生まれます。富を失うことへの恐れが生まれると、お金があっても幸せを感じられません。失うことを恐れるからです。これがまさに中流階級の苦悩なのです。幸せであるということは生きていることに心から満足していることです。毎日太陽が昇るのを見て感謝する。幸せとは人生を愛し、憎まないこと。でもそのためには大義が必要。情熱を傾ける何かが必要。それはある人たちにとってはお金よりも価値があるのです。問題はお金の好きな人が政治家になろうとすること。これは非常に危険です。汚職の原因なのです。こんな政治家を見ると国民は政治を信じなくなります。
ゆっくりでも人間は少しずつ良くなっていけるのです。若者は世の中を新しくする希望そのものなのです。ただ、肉体は若くても魂は老いていることがあります。これも危険です。
物欲ばかりに走ると幸せになれない。節度を持つこと、ほどほどに、が大切。」
2016年に来日し、多くの言葉を残したムヒカ氏の引退が惜しまれます。
愛の手運動は
親に育てられない子どもたちに、
里親・養親を求める運動です。
募金箱の設置にご協力いただける方は
協会にご連絡ください。
公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所
神戸市中央区橘通3-4-1
神戸市総合福祉センター2F
TEL.078-341-5046
https://ainote-kobe.org
E-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp