6月号
開場以来40年、愛され続けるゴルフ倶楽部に
六甲国際ゴルフ倶楽部 理事長 加藤 博俊
初代理事長の加藤成時氏が「関西にないタフで雄大なコースを」という思いで開場した六甲国際ゴルフ倶楽部。それを基にニクラウス、シュミットという世界トップクラスの設計者による改造を経て、海外トップクラスプレーヤーの評価も得られるコースへと育ててきた。一方、メンバーに愛される倶楽部ライフづくりも怠ることなく歩んできた40年。「次世代につなげるのが使命」という加藤博俊理事長にお話しいただいた。
初代理事長・加藤成時が六甲山の麓、恵まれた自然環境と交通至便な立地で開場したのが六甲国際ゴルフ倶楽部です。初代理事長の意向を受けた設計者・加藤福一氏はゴルフ場設計者であると共に、土木技術にも精通していました。地形を残しつつ大胆な改造を加える手法を用い、レイアウト・距離・広さを兼ね備えたコースが完成しました。また海外の一流コースを熟知していた前理事長は、倶楽部ハウスの充実を図りました。スペイン瓦の外観と重厚な内装を施した倶楽部ハウスの佇まいは、時を経て当倶楽部のシンボルとなっています。
開場以来、数多くのトーナメントを開催し、その度、国際基準を満たすコースへと改造を重ねてきました。96年には、ニクラウス・デザインと名シェイパー、ジョン・ノースィによるコース改造・ベントグリーンへの改造により、さらに雄大なフェアでタフなコースに成長しました。彼らが作ってくれたグリーンのアンジュレーションやバンカーのラインなどの造形美を崩さないように大切にメンテナンスしています。来場されるゴルファーはジャック・ニクラウス設計のコースの戦略性・リスク・リワードをちりばめたコースを思う存分楽しんでいただけます。またメンバーの皆様やその家族が一日中でも練習を楽しみ憩う、倶楽部ライフの中心となるように、趣向を凝らした練習場も誕生させました。
さらに三十余年ぶりの開催となる「日本オープンゴルフ選手権」に向け、数年前から米国設計者協会会長リー・シュミット氏の監修の下、厳格な基準に沿ってレベルアップを図り、7,416ヤード、コースレート76・0、日本オープン屈指の難しさといえるコースに仕上がりました。死力を尽くすプレー観戦を通して、ゴルフの楽しさ、スポーツとしての厳しさを感じていただき、288ヤード48打席を有する練習見学を通して、皆様の技術上達にも役立てていただければ幸いです。また壮大に成長する米松に大規模な間伐と剪定を施しました。世界の名コースで開催されているかのような景観にもご期待ください。
振り返りますと、メンバーの皆様、コース改造に携わっていただいた方々との出会いに感謝の気持ちで一杯です。開場40周年を機に今後も、メンバー、ファミリー、ご友人・・・・皆様が集い、楽しい時間を共有できる倶楽部ライフを提供できるよう努力してまいります。
最後になりましたが、日本オープンゴルフ選手権は、当倶楽部のメンバーの皆様、神戸、関西各界の方々の成功に向けた熱意の集大成だと思います。そのような大会が、この秋、日本中のゴルファーを大いに沸かせることを切に願います。
加藤 博俊(かとう ひろとし)
1952年生まれ。日本大学医学部卒。兵庫医科大学眼科学教室で学ぶ。1980年に六甲国際ゴルフ倶楽部入社。その後、海外の名門コースを視察して回り、六甲国際ゴルフ倶楽部の倶楽部ライフやコース作りなどに活かしている。2008年理事長に就任