3月号
harmony(はーもにぃ) Vol.13 黒田裕子さんのこと
黒田裕子さんといえば、阪神・淡路大震災や東日本大震災で災害の現場にいち早く飛び込み、身を挺して被災者支援や被災地の復興のために働き、3年前に肝臓がんのために73歳で亡くなったのを記憶しておられる方は多いことでしょう。
私が初めて黒田さんにお会いしたのは、阪神・淡路大震災から2年後に、東京のエンゼル保育園主催の震災の報告会にご一緒したときでした。それ以降、いろんな場所でお目にかかることがあり、黒田さんの活動ぶりには感嘆していました。「この人を突き動かし、心を駆り立てているものは一体何なのだろう」と常々思っていました。亡くなって3年になりますが、彼女が人生を賭けて残したものは被災者や専門職、ボランティア、行政職員、彼女の活動に関わった人たちに今もしっかり引き継がれているように感じます。
黒田さんは被災者を支援するときに大切なことをいくつも具体的に伝えています。たとえば、「寄り添うということはこちらが話すよりも被災者の話をしっかり聞くことです。人間には耳が二つあり、口が一つあるのはそのためです」「人の話を聞くときはその人と45度の角度で横に向き合って座る」「タッチングには3つの目的があります。一つは緊張の緩和、二つ目はコミュケーション、三つ目は不安の除去、です。10本、あるいは5本の手の指で相手の背中をさする、抱きかかえる、握手をするなどのタッチングは相手をホッとさせます」「仮設住宅へいったらまずゴミ箱を見て下さい。そこから被災者の暮らしが見えてきます。ゴミ箱を見ることによってケアの方法がわかってきます」。
能登半島地震の時は「足湯」に注目し、足湯を通して心のケアができないかと考えました。足湯で他者とふれあう機会ができ、会話を通して声が出る、それが肺炎予防にもなる。仲間ができることで、生きる力と何かをしようという意欲が湧いてくる、それが健康維持、食欲増進につながり、コミュニケーションもはかれることからコミュニティ作りにもつながっていく…。足湯は災害時だけでなく、日常的なものとして普及して欲しい、とも考えていました。現場を大切にするのが黒田さんの災害看護の信念でした。
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