2月号
ウォーターフロントで潤いのある暮らし
神戸ハーバーランドには日本が世界に誇る景観が広がる。その海への最前列に「ザ・パークハウス 神戸ハーバーランドタワー」が誕生する。ここで、神戸をよく知る方々に港町神戸、ウォーターフロントの魅力について語っていただいた。
神戸が世界に誇るハーバーランドの迎賓館
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド
総支配人 檜山和司さん
スモールラグジュアリーで滞在したくなる居心地の良さを
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドには70の客室があり、その全てがテラス含め70平米以上のゆったりとしたスイートルームタイプです。全客室が海に面しており、テラスでは陽光と爽やかな風を感じていただけます。今でこそ年間を通じてほぼ90%の稼働率となっていますが、開業前のリサーチで海外の人に神戸の印象を聞いてみても、神戸ビーフや震災のことは知っていましたが、神戸はどこにあるのかさえわからないという声がほとんどでした。
そこで私どもが考えたのが、「ラ・スイートに泊まる為に神戸に行く」と、旅の目的地になる様な「デスティネーションホテル」をつくる事でした。その第一歩として、世界のトップホテルだけが加入を許されるスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドに認定されることを目指しました。単独経営で小規模かつ高品質であることが最低条件であり、様々な項目をクリアしなければなりません。大型ホテルにはできないことを、一つひとつ丁寧に磨いていくことで、ホテルとして日本で初めて加盟が許されました。さらにミシュランガイドでも4年連続、神戸のホテルでは最高の評価をいただいています。評価をしていただくことにより、世界中に神戸を知っていただくことができます。ラ・スイートを通じて、少しでも長く神戸にご滞在いただき、その良さを感じていただく事、そしてまた来たいと思っていただく事が何よりも大切です。
開業して5年、今では全体の4割以上がリピーターのお客様です。チェックアウト時に次のご予約をされる方も少なくありません。神戸は空港や新幹線の駅が市街から近く、北野地区や南京町、旧居留地などがあり、アクセス・観光ともに良い条件が整っています。その為、ラ・スイートを拠点に大阪、京都などの観光をされるお客様も増えてきました。
また平成27年には第一突堤に天然温泉浴場を備えた宿泊施設を開業する予定です。ラ・スイートは神戸市の推進するウォーターフロント事業の中核として開業しました。だからこそ今後もウォーターフロントから神戸を盛り上げ、全国に、世界に知らしめ、地元に貢献することが我々の使命だと思っています。
レストランのコンセプトは「地元兵庫の産物でおもてなし」
神戸にお越しいただいたお客様へ、地元の産物を使った地産地消のおもてなしを推奨しています。兵庫県には神戸牛はもちろんのこと、猪肉、鹿肉などの天然ジビエ、豊かな土壌がもたらす野菜やフルーツ、瀬戸内と日本海両方の海の幸などが揃い、まさに食材の宝庫といえます。兵庫県はかつて、但馬・播磨・摂津・淡路・丹波の五国に分かれていました。ラ・スイートではそれにならい、1年を5つのシーズンに分け、その時期に兵庫県で一番おいしい食材をご提供する「兵庫のテロワール 五国の味めぐりフェア」を開催しています。
私自身、ラ・スイートに来る前は、アラン・シャペル、ラ・コート・ドールなどの三ツ星レストランにおりました。本場フランスでも一流レストランは地元の食材を使う事にプライドを持っており、ラ・スイートも同様です。
ホテル開業前から総料理長には、新たな食材を探しに兵庫県のあらゆる生産地を巡ってもらっています。今では訪ねた生産者の数も200件を超えました。開業以来、地元の食材にこだわり続け、より良い食材が提供できるようになり、生産者の方々とのネットワークも確立されてきました。今後も、お越しいただいたお客様へ美味しい兵庫の味をお召し上がりいただくだけではなく、生産者の方々への応援もしていくという、我々の考える地産地消を続けていきたいと思います。
北野に『ル・パン神戸北野』を開業したのも、北野を更に活気づけたいという思いがありました。毎日、北野から焼きたてのパンをホテルへ運んでいます。スイーツやパンは神戸の誇るべき文化です。ル・パンへより多くのお客様にお越しいただくことや、マスコミに取り上げていただくことによって、北野エリアの活性化につながればと願っております。
世界に名立たる港街を目指しみんなが神戸の観光大使に
神戸にはたくさんの魅力あるスポットが点在しています。しかしそれらは線にはなっていますが、面にはなっていないように思います。京都などは行政と民間が一体となって、元々ある観光資源プラス様々な取り組みをすることで、多くの観光客を誘致しています。同様に神戸市、ホテル業界、観光業界が一体となり推進するプロジェクトが必要だと思います。海岸線には、雨の日でも濡れず海沿いを散策できる屋根付きのプロムナードや、そこにレトロな路面電車を走らせたり、街並みや建物のデザインをヨーロッパの旧市街の様に統一して古き良き港街の風情を演出したりと、神戸の持つ魅力をもっとうまくアピールすることができれば、フランスのカンヌやニースにも勝る素敵な港街になると思います。
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドは、まさにそんな港街のウォーターフロントにあり、スタッフ全員が神戸の観光大使のつもりでお客様を迎えています。様々な施設が競合していることは良いことですが、目先の利益ではなく将来的な目線で、皆で力を合わせて神戸のファンを増やしていかなければならないと思います。
ラ・スイートでは料理はもちろんですが、2階にあるラウンジ&バー『グラン・ブルー』では毎晩ジャズの演奏をお聴きいただけます。美や健康、教養・芸術・音楽など様々なセミナーも開催しています。
また、観光はもちろんですが、お近くの方にももっとホテルをご利用いただきたいと思います。三菱地所レジデンス、他4社が建設中のザ・パークハウス 神戸ハーバーランドタワーには、地上36階建て345世帯の方がお住まいになると伺いました。記念日プランやエステ付きプランなどもございますので、ご家族、ご夫婦、ご友人とご一緒に、週末にご自身へのご褒美としてご利用いただいたり、お客様をおもてなしする場所として、ご自身の応接室またはお庭のような感覚で立ち寄っていただけるような、神戸の迎賓館でありたいと思っています。
世界に比肩なき美しい港 その風景を日常に
株式会社神戸クルーザー
代表取締役社長 南部真知子さん
私が中学生の頃、世界1位の貿易港はオランダのロッテルダム港、そして2位は神戸港と教わり、その頃からこの2つの街に憧れを抱いていましたが、先日、念願叶ってロッテルダムへ行ってきました。神戸は震災の影響などもあり、貨物の取扱量では世界52位まで落ちてしまいましたが、ロッテルダムは今なお10位以内をキープしてさすがに活気はありました。
しかし、景観でいえばダントツで神戸です。海側から見た景色は、ロッテルダムは平地ですのでただ建物が見えるだけですが、神戸は街の背景に広がる六甲山の緑、街、空、海のコンビネーションが美しく、比較になりません。もちろん貿易港としてもカムバックしなければいけないのでしょうけれど、客船という視点からすれば景観の良さは大きな強みで、ほかの港町にはない魅力だと神戸に戻って改めて感じました。
港町の海際にお住まいになるということは、毎日まさに客船から美しい景観をご覧になるのと同じような感覚なのでしょう。神戸ならではのその美観を、ぜひ楽しんでいただきたいです。
ハーバーランドはumieやアンパンマンミュージアムがオープンし、活気が出てきました。人の集まるところはうきうきして、そこに身を置いて日々を過ごすと、エネルギッシュな感覚が得られます。至近距離に美味しいお店や楽しい場所があるのも大変良い環境です。
神戸ほど便利な港町も、なかなかありません。アプローチもJR・地下鉄から徒歩で数分です。コンチェルトは今年で17年になりますが、おかげさまでまもなくご利用者数が400万人になります。アンケートでは9割以上の方がご満足いただいているという回答をいただき、現にリピーターのお客様も多いです。この春からマカオ発の人気スイーツ、アンドリューのエッグタルトを船内でお召し上がりいただけます。また、活躍著しい神戸清盛隊のイベントも企画しております。是非一度、コンチェルトにご乗船ください。
海辺はグルメの街・神戸をより美味しくするスパイス
老祥記3代目店主
曹 英生さん
南京町は神戸が開港した頃、140年くらい昔には華僑の街として栄え、さまざまな食材が揃う市場みたいな感じだったようです。大阪や京都からも多くの人が買い出しに来て、お店や屋台が所狭しと軒を並べていたそうです。戦後になると船乗りが通う港町の盛り場になり、私が幼い頃は外国人が多くて、夜になると酔っぱらってお国の歌を大声で歌うなんていうことはよくあることでした。しかし、昭和60年に区画整理で景観が整備されて、神戸を代表する観光スポットになり現在に至っています。
老祥記の創業者である祖父は若い頃、中国から横浜に渡り、一度中国に戻ったのですが、再び日本に来て大正4年に神戸で豚饅専門店をはじめました。転々として南京町に根を下ろしたのは、きっと神戸が住みやすかったからでしょう。創業から間もなく百年、老祥記は今も変わらず祖父の味を守っています。
神戸の魅力はたくさんありすぎて語り尽くせませんが、「食べる」という点でも良い街です。食のレベルが高い、しかも安い。上質の食材が集まりますし、水も良い。美味しいもの好きの神戸っ子が料理人を育てる土壌があると思います。和洋中とバリエーションも豊富で、世界の中でもこんなに恵まれた街はないのではないでしょうか。しかもロケーションも良いですよね。海辺の景色を楽しみながら食事すると、より美味しく感じますから。食にまつわる全ての要素が凝縮されていて、現にわが家から徒歩10分圏内にミシュランの星がついた飲食店が20軒もあるんです。しかもゴルフ場も近く、昼は山でゴルフ、夜は海辺で食事と、レジャーを日常的に楽しめる素晴らしい街ですよ。
ウォーターフロントはクルーズ船を中心に、今後海外からのお客様も増えて発展していくのではないでしょうか。海は憧れです。季節を感じますし、眺めるとバイタリティが湧いてきます。今後も海・山・空を大切にして、神戸らしいまちづくりが進んでいけばいいですね。