4月号
学生の情熱あふれる、勝負の一品が決定!|6月開催 第5回ドリーム豚饅プロジェクト VOL.3
白熱のレシピ選考会。熱き戦いをお届けします‼
「老祥記」×「オリバーソース」×「神戸国際調理製菓専門学校」による『第6回ドリーム豚饅プロジェクト』。学生チーム7班が考案した豚饅を老祥記とオリバーソースが試食し、1チームの商品化を決定。栄えある一品に選ばれたのは?

学生たちが挑んだ商品開発
栄冠をつかむのは、どの豚饅?
神戸市内の飲食業界と「老祥記」がコラボしてオリジナル豚饅を開発・販売する『ドリーム豚饅プロジェクト』。第6回となる今回は、コラボ企業「オリバーソース」のソースを活かした豚饅づくりに向け、「神戸国際調理製菓専門学校」の学生たちが昨年12月から準備。2月には計2回の試食選考会を実施し、全7班の試作品から6月イベントで販売する豚饅を1つ選出した。
今回は“ソース付き提供”が条件。「ソースとの相性」「ストーリー性(両社らしさ・神戸らしさ)」「味」「オペレーション」「ネーミングなど広報要素」などを基準に老祥記とオリバーソースが審査。初回試食会では各班の創意工夫を評価しつつ、よりお客様に届くための改善点をフィードバック。その意見を踏まえてブラッシュアップし、2回目の試食会で最終選考が行われた。
試作品には、SNS映えを意識したもの、ガパオや台湾風など世界の味を取り入れたもの、神戸の洋食文化や神戸とレモンの歴史を踏まえたもの、さらにはパクチーなど好き嫌いの分かれる食材をあえて使いソースの魅力を引き出したものなど、多彩なアプローチが並んだ。
初回試食会では、具材構成の複雑さや主役の明確さ、食感の設計、ネーミングの伝わりやすさやイメージの固定など、課題が指摘された班も多かった。しかし2回目ではどの班も改善し、1つの豚饅に絞るのが惜しいほどレベルが向上した。
老祥記からは「美味しいだけでは売りにくい時代ゆえ、コラボの文脈やストーリーへの適合性が不可欠。あえて厳しいコメントも発したが、相手からの指摘を自分たちの中で咀嚼して戦略を立て直すプロセスは社会に出てからも必ず生きてくる。挑戦し成果をつくる姿勢を忘れずにいてください」と激励。またオリバーソースからも「ソースを上掛けするレシピ開発は、商品を完結させてはいけないという難しさがある。ソースと具材や生地との融合を試行錯誤して最適化する体験をぜひ将来の実践に活かしてほしい」とコメント。
次ページでは、各班が生み出した個性豊かな豚饅を紹介する。
試食

審査員を務める老祥記の曹祐仁さんと佳映さん、オリバーソース㈱ 商品開発室室長の藤浪潤子さん、管理本部長の服部祐介さん、管理本部 管理部長の津田朝徳さん(写真左から)

どろソースも合うなぁ

オリバーソースの提供ソース

学生が提案したソースと豚饅との相性を確認。その他も試食し、最も相性の良い組み合わせを探った
プレゼン

各班が豚饅にかける想いや開発意図をプレゼンテーション
調理

仲間と連携・コミュニケーションして美味しい豚饅を完成
1班
黒胡椒香る彩り野菜豚まん

合わせたのは…ウスターソース

椎茸戻し汁と椎茸で旨味とやさしい甘味、パプリカ・ピーマンで彩りを表現。黒胡椒でパンチを効かせた。素材に食感が楽しいタケノコを追加し、食べ進める楽しさを設計

包み方の技術が高評価!

彩りを意識した具材。改善版ではタケノコで食感をアップ
評 価
包み方の美しさは7班の中でも際立っており、全体の完成度も高く評価。一方で、6月販売に向けて「ソースとのコラボ意義」がより伝わるネーミングや販売設計の工夫があると尚良しという意見も
2班
神戸洋食コロッケ豚まん

合わせたのは…とんかつソース

神戸の洋食×ソース文化に着目し、コロッケをベースにした豚まんを考案。男爵いもに豚ミンチ、ベーコン、タケノコを混ぜあわせ、食感目的の味付こんにゃくはバラつき抑制のため後入れに

課題を解決した2回目の伸びしろがすごい!と審査員

ソースとのコラボ感は抜群!
評 価
「コロッケな豚まん」はソースが欠かせないストーリーが作りやすく、神戸の洋食文化との相性もとても良い作品。割ったときのビジュアルがもう少し魅力的になると、よりお客様に印象づけやすくなりそう
3班
洋風香菜まん

合わせたのは…とんかつソース

古くから中国で使われてきた香菜(パクチー)に注目。独特の風味を持つ食材だがソースの魅力を最大限に活かすプロダクトアウトの発想で、トマトペーストなどを合わせた洋食風豚饅に

審査員の質問に答えながら、工夫点をアピール

クセの強いパクチーを主役に
評 価
パクチー×洋食という個性がはっきりしており、提供方法も明確でアイデアが斬新。ソースとの相性も抜群。ただ、パクチーは好みが分かれやすいため、販売時にどう伝えるかが課題として残る
4班
スパイシーガパオカレーまん

合わせたのは…ウスターソース

ガパオ×カレー×福神漬けという既存にない豚まんを開発。カレー粉にナンプラーとバジルで香りや旨味に個性を出し、福神漬で食感と酸味のコントラストを。国内外の来訪者にアピール

春雨が意外な効果を発揮

バジルや福神漬けなど、異文化の要素を融合させた
評 価
乾燥春雨の効果で旨味がまとまり、味の評価は非常に高い作品。“もう一度食べたくなる”魅力あり。ただ、コラボの文脈として「なぜガパオなのか」がやや伝わりにくく、お客様が疑問を持つ可能性がある
5班
ハニレモまん

合わせたのは…とんかつソース

神戸とレモンの歴史的関連(明治期の輸入窓口)をストーリー化。はちみつとレモンの甘酸っぱさ×とんかつソースの旨味とコクで、“甘い豚饅”という意外性のある美味しさを実現

白皮由来の苦味抑制のため、刻み→おろしに調理を変更

レモンジャムなど、天才的な発想
評 価
学生らしい柔軟な発想が光り、サプライズ感あり。甘さ×辛さの味変により、様々なソースに合わせられる可能性も高評価。レモンを採用した理由も明確だが、コラボ企画商品としての訴求が少し難しい
7班
しいたけ豚饅~野菜旨味仕立て~

合わせたのは…ウスターソース

台湾出身の学生が中心となり、家庭的でやさしい味わいの台湾風豚饅を開発。野菜多めで栄養・食感を両立。ウスターと合わせるため軽めの味付けにして最後まで食べ飽きない味に

干し椎茸は炒めて水分を飛ばし香り立ちを高める

椎茸の戻し汁を活用
評 価
キクラゲや椎茸など素材の香りと食感が良く、幅広い層に好まれる美味しさ。健康的なレシピも好印象。ただ「老祥記」では既に椎茸豚饅を販売しており、イベント限定品としての差別化に工夫が必要
頂上決戦を制したのは…
6班
たこやきまん

合わせたのは…とんかつソース。
別添えで味変…神戸餃子味噌だれ
(白味噌ゆず仕立て)、どろソース
たこ焼き店でアルバイトする学生が着想。レシピ開発では単調になりがちな食感に苦戦するものの、チーム皆で知恵を出し合い、切り方を改善。沢庵を加えることで独自性も出した。「自分たちのレシピを多くの人に食べてもらえるのは貴重な経験。友人にも宣伝して来場者を増やしたい」と喜んだ。「商品開発では食材の組み合わせが重要」という声もあり、学びの手応えを感じている様子。「自分たちの試作品がプロの手でどのように“市販版”へと進化するのか楽しみ」と語った。

喜びと達成感を表明!
見た目はたこ焼き! 食べれば豚饅。豚ミンチにタコ、桜エビ、青ネギ、紅ショウガ、天かす、沢庵を合わせた安定の美味しさ。「とんかつソース」を塗り、削り粉と青のりをトッピングして完成。味変で「神戸餃子味噌だれ(白味噌ゆず仕立て)」でさっぱり、「どろソース」で刺激をプラスしてもグッド。


味、食感、彩り豊かな食材

篠山出身の学生(右)がアルバイト体験を活かして提案
評 価
タコと豚まんの相性がとても良く、割ったときの写真映えもあり、完成度が高い。また「なぜソースなのか」という必然性が明確で、コラボの意義を体現できていた。関西のソウルフードであるたこ焼きを想起させるため、他府県からの観光客にもアピールしやすい。
選考会では…
試食選考会では、オリバーソースとのコラボ性が特に重視され、たこ焼きやコロッケなど“ソースを連想しやすい”豚饅に高い点数がつけられた。2班の「神戸洋食コロッケ豚まん」は神戸の洋食文化を象徴するコロッケらしさと老祥記の豚饅としての存在感を両立させた点を高評価。ソースとの相性が抜群だった4班のガパオをはじめ、1班の黒胡椒や7班の台湾風は味の完成度は高かったものの、「なぜその商品を販売するのか」というストーリーがやや弱く、惜しくも優秀作品には届かなかった。また、もし選出枠が2つであれば、味変として3班の「洋風香菜まん」や5班の「ハニレモまん」も候補になり得るとの声も。特に「ハニレモまん」は甘い豚饅という新しい領域を切り開き、最もクリエイティブと評価された。最終的には、企業コラボの意義が明確で、写真映えや「誰かに伝えたくなる」ユニークさなど、総合的に評価が高かった6班の「たこやきまん」が選出。選考結果を受けて神戸国際調理製菓専門学校の川端先生は、「ソースに合うものから考えると発想が狭くなる。まずストーリーを描き、それに沿って食材やレシピを考えるプロセスを大切にする」ストーリーの重要性を意識させる授業を行ったと報告。神戸の食文化や歴史、企業背景を調べながら商品を開発する体験が、学生たちにとって大きな学びとなったと伝えられた。
選ばれなかった班も決して劣っていたわけではない。結果発表の場で審査員からは「社会に出ると厳しい競争の中で思い通りにいかない場面が必ずある。“悔しさ”を成長の原動力として次の挑戦を続けていってほしい」と学生たちに温かいエールが送られた。今後は6班の豚饅レシピをベースに味や調理方法を調整し、ネーミング設定や販売活動の準備を進め、6月に販売を予定している。

各班の豚饅を試食後、別室へ移動して審議選考

どの豚饅を選ぶか、審査は白熱!

甘い豚饅には珈琲も合う!という新しい発見

オリバーソースから6班へ、副賞の食事券が贈られた
次回は6月号でイベント詳細をご紹介。












