1月号
ハンドメイドに特化したビスポーク・テーラーのグループ
International Tailors Club
KOBECCO SELECTION NEWS
最高級ファッション市場で確固たる存在を目指す
起業明治元年 ㊎柴田音吉洋服店
ハンドメイド ビスポーク・テーラー
「インターナショナル・テーラーズ・クラブ」(以下、ITC)はテーラー業界の活性化と繁栄を目的に1966年に英国屋創業者・小林新三郎氏が中心となって発足した。バブル崩壊後は積極的な活動を休止していたが2020年、柴田音吉洋服店が代表幹事店となって活動を再開した。
柴田音吉洋服店は1868年の起業以来155年にわたり、採寸から仮縫いを行い、本縫いの工程を一人の職人がハンドメイドで縫い上げるビスポーク・スタイルを貫いている。次世代を担う、人材育成に努めると同時にWEB戦略に力を入れ、新たな富裕層顧客を開拓。コロナ禍も乗り越え、売り上げを伸ばしている。しかし5代目社長の柴田音吉氏は「イージー・オーダーやパターン・オーダーの店が多数出店している昨今、このままでは本物・本流のビスポーク・テーラーが減少してしまう」と危機感を抱いているという。
そこでITCの活動をさらに強化し、その存在を最高級ファッション市場で確固たるグループになることを目的とし2022年4月、会として商標登録を特許庁に申請、昨年春、受理されるに至った。柴田氏が長年築いてきた人脈をフルに活用し、英国・イタリアをはじめ海外の著名一流テーラーを名誉会員として迎え、今後5年間で老舗・規模を問わず国内外のビスポーク・テーラー10店の入会を目標として掲げている。
ITC会員の中で80年以上、100年に及ぶ歴史を持つ老舗テーラー数社と組み、21年には新ブランド「センチュリー・テーラーズ・クラブ」を立ち上げた。ホームページには累計2万2000人(30カ月間)のユーザーがアクセス。柴田音吉洋服店では新富裕層の顧客獲得に貢献し、売り上げを押し上げてきた。ある程度ITCの目的が達成されたとしてメンバーを一新し、WEB上でのチームマーケティングをさらに強化していく予定だ。
柴田氏は「ビスポーク・テーラーの歴史と伝統技術・役割を次の世代へとつないでいく責務があります。ハンドメイドに特化したテーラー・グループを作り、ラグジュアリーファッション志向の方に広く知ってもらうことが今、やるべきことです」と今後への意欲を語っている。
柴田音吉洋服店
電話:078-341-1161
神戸市中央区元町通4-2-22(2F)
12時~18時
(初めてのお客様はご予約が必要です)
定休日 水曜日・日曜日・祝日
https://otokichi-kobe.co.jp/