6月号
第80回日本オープンゴルフ選手権開催に向けて 日本の“ゴルフ発祥の地” 神戸での開催
ゴルフプロデューサー
日本ゴルフ協会 常務理事
戸張 捷
長い歴史と伝統を誇る日本オープンですが、これまでの道のりを振り返ると、名実ともに「ゴルファー日本一を競う選手権」と認められるまでにはいくつもの改革を経てきました。
そして、第80回大会となる今年も新たなチャレンジに踏み出しました。ご存じの方も多いと思いますが、日本ゴルフ協会では今大会から「ドリームステージ」と呼称するアマチュア予選会を実施することになりました。
この予選会は日本オープンが“真のナショナルオープン”となるべく、JGAハンディキャップ(正式にはJGA/USGAハンディキャップインデックス)を持つアマチュアであれば、年齢・性別・在住地区を問わず誰でも参加できるもので、初年度の今年は東北と関東エリアで開催。うち我孫子GC(千葉県)の予選会は、申込み受付開始後、間もなく定員に達するという大きな反響がありました。来年以降は全国各地で、そして3オープン(男・女・シニア)すべてで実施できればと考えております。
その新たな日本オープンが今年は日本の“ゴルフ発祥の地”である神戸の六甲国際ゴルフ倶楽部で、しかも同倶楽部の設立40周年という記念すべき年に行われるというのは、人知を超えた“縁”を感じざるを得ません。
しかし、六甲国際ゴルフ倶楽部にとって10月中旬の日本オープン開催は、実は“大きなチャレンジ”に他なりません。言うまでもなく、同倶楽部は6月に「サントリーレディス」を実施するからです。4カ月間に2度、コースを最良の状態に導くというのは並大抵の苦労ではありません。
それでも、同倶楽部は我々の期待以上の素晴らしいコースコンディションに仕上げてくることでしょう。そのことを関係者だけでなく、神戸の皆さんも誇りにされるべきと思います。
神戸・六甲が日本中のゴルファーから敬意をもって「ゴルフ発祥の地」と言われるのは、110余年前の発祥の史実だけではなく、今もこの街には情熱をもってゴルフと向かい合う人がたくさんおられ、素晴らしい文化と伝統が息づいているからなのです。
戸張 捷(とばりしょう)
1945年東京都生まれ。1968年慶應義塾大学商学部卒。株式会社ランダムアソシエイツ代表取締役として、ゴルフイベントのプロデュース、ゴルフ場の設計監修、ゴルフクラブ運営のコンサルティングなどを手がける。全米・全英オープンといった海外のメジャートーナメントなどのゴルフキャスターとしても活躍している