8月号
神戸のカクシボタン 第八十回 老舗店の新たな挑戦 ぼたん鍋 かも鍋「兵均」
写真/文 岡 力
老舗店の新たな挑戦 ぼたん鍋 かも鍋「兵均」
「今から30年前、神戸市北区で開業したお店です。9年間、休業していましたが便利な場所に出てきました」。そう語るのは、昨年9月に三宮でリニューアルオープンした「兵均」（ひょうきん）のオーナー西本和浩さん。名物のぼたん鍋、かも鍋や厳選された食材を使用した創作料理が話題のお店である。一風変わった店名は、オーナーが幼少期に好きだったバラエティ番組「オレたちひょうきん族」に由来。その名の通りアットホームな雰囲気の中で地産地消にこだわった逸品が堪能できる。
「創業者である父親は現在も北部猟友会で会長を務めています」。狩猟は、近隣の六甲山脈や淡路島で行われる。豊かな自然に恵まれた土地には猪や鹿をはじめ観光資源として注目を集める「イノブタ」も多く生息している。今年3月には衛生局より認可を受け神戸市では初の試みとなる自社プラント工場を設立。素早く解体する事で鮮度の高い食肉をお店で提供する事ができる。今後は、日本各地の獣害に悩む地域に対してこの仕組みを提案していきたいと期待を寄せる。
今夏から新たなサービスとして展開しているのが「ジビエの焼肉」。大皿に盛り付けられた色鮮やかな馬、猪、鴨。それらを専用ロースターで炙り自家製味噌をベースにしたタレにつけて食す。ジュワっと濃厚な旨味とコクが口の中で広がる。全く臭みがなく牛肉よりもあっさりしているので女性にもオススメである。涼しい店内でスタミナをつけ暑い夏を乗り切りたい。
テイクアウトとしても人気の高い「鴨の炊き込みご飯」
熊本から仕入れる「馬刺し」はとろける甘さ
■兵均
神戸市中央区中山手通1-9-2
MOZANビル2F
【電】078-335-5514
【休】日・祝・祭日
■岡力（おか りき）コラムニスト・放送作家
ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「合間日和」（神戸市消防局監修・雪）「のぞき見雑記帳」（大阪日日新聞）「あての履歴書」（大阪スポーツ）
