2020年
6月号
6月号
Tadanori Yokoo|神戸で始まって 神戸で終る ⑤
神戸新聞社に入社できたことは、今思っても不思議でならない。すでにこのことについては何度か触れたが、何度触れても、あの一件だけは不思議を通り越して今でも奇跡だと思っている。学歴もなく、デザインの専門教育も受けたことのない、極めて口べたの田舎出の少年だった自分に降りかかってきた(こういう表現は不幸を表わす時に表わす言いまわしかも知れない)が、ここでは幸運という言葉に置きかえたい。
美術家 横尾 忠則
プロフィール
よこおただのり 美術家。 1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、小説「ぶるうらんど」で泉鏡花文学賞、「言葉を離れる」で講談社エッセイ賞受賞。現在、横尾忠則現代美術館にて「兵庫県立横尾救急病院展」を開催中。(8月30日まで会期延長)
http://www.tadanoriyokoo.com