8月号
親も子も “賢く”なろう |Vol.05
偏差値で学校を選んでいる場合ではない
思考力・判断力・表現力・想像力は家庭で育まれる
子どもの将来を考えたら少しでも偏差値の高い学校に進学させたい。そう願う親は多いでしょう。一方、学校は2020年の教育改革に向けて『思考力』『判断力』『表現力』『想像力』などを養う教育に重きを置き、個性をアピールしています。そのメッセージとしてさまざまな入試を実施する学校がこれからも増えていきます。進学塾の対応も多様化し非常に難しくなっているのではないでしょうか。そこで親御さんから、「思考力を付けるにはどこの塾に通わせたらいいのでしょうか?」という質問をよく受けます。塾はそれぞれに努力をされていますから力を付けることも可能でしょう。でもその前にちょっと考えてみませんか。今までの約10年、家庭で我が子とどう向き合ってきたのかを。『思考力』『判断力』『表現力』『想像力』を育むのは塾ではなく、家庭なのです。
我が子に力を付けてくれる学校を見極める
会話もなく過ごしてきた10年間を取り戻すことはできません。手遅れなのかといえば、そういうわけではなく、親御さんが今すぐ反省して、これから不幸な親子にならないよう頑張ればいいことです。そこで、学校にも助けてもらおうと受験を考えるのならば、偏差値なんかで選んでいる場合ではないですね。素晴らしい学校はたくさんありますから、「この子に力を付けてくれる学校はどこなのか」をしっかりと見極めてほしいのです。もちろん子どもと一緒に見学して話し合い、意思を尊重するのが第一です。「あんな学校には行きたくなかった」などと言われてしまっては仕方がないですからね。
固定観念を捨て、興味を持って吸収する。それが親の勉強
子どもに力を付けようとするのなら、親も勉強しなくてはいけません。「何の勉強をしたらいいでしょうか」と聞かれますが、「数学や物理の勉強を始めなさい」と言っているわけではないんですよ。固定観念を捨て、いろいろなことに興味を持って吸収する努力をしてください。例えば、子どもの遊び。「しょうもないこと」と決めつけず、「それ何なの?」「どうするの?」と声をかける。そんな小さなことでも構わないのです。