5月号
〝うっとこ〟のうまいもん
トゥーストゥース総料理長
松下 平さん
毎日放送「ちちんぷいぷい」で、レギュラー出演中の松下シェフに、
「うっとこのうまいもん」(松下さんのブログのタイトル)についてお聞きした。
“フランスの田舎料理”がTOOTHのコンセプト
―松下シェフのお料理に出会える「ブラッスリーTOOTH TOOTH」のお料理の特徴は?
松下 TOOTH TOOTHの原点ともいえるのがブラッスリーです。フランスの田舎料理を日本人の味に合うように作り直した料理で、例えば豚の血を使ったテリーヌなどもできれば食べていただきたいと、フルーツなどを入れて工夫し、サービスする際にはちゃんと説明するように徹底しています。
その他の各レストランでは、コンセプトに合ったメニューをそれぞれのシェフが作りますが、監修は私がさせていただき、試食をしながら一緒に作り上げています。社員と話ができる時間帯を見はからって、随時各店舗に足を運ぶようにしています。
食材は現地産が中心で、淡路の野菜や肉、卵なども使っています。神戸市西区の農家さんも努力してクオリティーの高い果物や野菜を栽培していますので、それを仕入れていることもあります。
季節ごとに仕入れる野菜がどんどん変わりますので、メニューも変わります。特に春と秋に大きく変わります。何と言っても秋はおもしろい食材が豊富な季節ですから。夏と冬はマイナーチェンジをします。
手軽なのに本格的 人気の松下流「家庭メニュー」
―テレビで好評の「キッチンぷいぷい」のメニューはどのように決めているのですか。
松下 ぷいぷいさんからメニューのお題が提示されます。例えば、エビフライ。家庭で手に入る食材を使い短時間でできる〝シェフのエビフライ〟では、ピリ辛のポテトスナック菓子をパン粉に混ぜて揚げ、ゴマ風味のタルタルソースを添えました。事前に作って両方のスタッフ皆で試食し、本番前には2回リハーサルをします。本番ではゲストの方々は思いつくまま喋ったり質問されますし、こちらは早く作らないといかんし、そこでかみ合わなかったりして…、視聴者はそこがまた面白いのでしょうが、やっているほうは大変です(笑)。阪急百貨店と提携してぷいぷい物産店も開催したことがあり、視聴者さんと触れ合う時間を作れるように、ちょこちょこ足を運びました。テレビ局だけでなく、私たちのお店にも色々と反響をいただいています。
―さて行楽シーズンですね。ピクニック料理のアイデアをご紹介ください。
松下 真空瓶などに詰めたお料理を持って行き、お皿に盛りつけていただくピクニック。出来立ての熱いお料理を瓶に詰めて、逆さまにして一気に冷やすと真空状態になります。サラダはその場で作るドレッシングで。酢1にオイル3が基本。ドレッシングというと作るのが大層に思う方が多いのですが、1対3の基本を踏まえれば簡単です。いろいろな酢やオイルの組合せでマイドレッシングを作って下さい。
―これからも家庭でも取り入れられるプロのアイデアを発信してください。
松下平(まつした ひとし)
神戸で洋菓子やレストランを展開する「TOOTH TOOTH」総料理長。長崎のハウステンボス迎賓館のメインダイニング、カナダの日本総領事館、神戸ポートピアホテルなどをへて現職に。毎日放送「ちちんぷいぷい」にて、家庭でできるシェフの味を紹介。隔週金曜日にレギュラー出演中。