2012年
10月号
右から鄭正秀院長、鄭充康副院長、鄭晶水院長補佐

博愛精神で心温まる地域医療を

カテゴリ:医療関係, 神戸

昭和22年、元町で開院以来65年、地域医療に努めてきた神戸博愛病院。待望の新病院が落成し、9月1日、開院の日を迎えた。今の思い、今後への思いを、院長の鄭正秀さん、院長を支える鄭充康・副院長と鄭晶水・理事に伺った。

医療法人社団恵秀会理事長 神戸博愛病院院長
鄭 正秀
医療法人社団恵秀会理事 神戸博愛病院副院長
鄭 充康
医療法人社団恵秀会理事 神戸博愛病院院長補佐
鄭 晶水

―新病院開院おめでとうございます。明るくて気持ちの良い病院になりましたね。
院長 ありがとうございます。前病院は震災でかなり傷み、その上、老朽化が進んでいました。設備の更新の必要もあり、この機会に一新しました。当院は療養型中心の病院です。患者さんが長期にわたり療養するために居心地の良い環境を作ることを第一に考えましたが、明るい環境になって良かったと思っています。
―療養型というのは。
院長 市民病院や大学病院はいわゆる急性期病院です。療養型病院は主にその後のフォローやリハビリなどを担当します。当院では120床のうち32床を一般病床に、88床を療養型病床に当てています。高齢になられると病院を転々とするのは大きな負担ですが、在宅での療養はなかなか難しいものです。長期でゆっくりと療養していただける環境は、患者さん自身だけでなく家族の方にとっても安心です。そういう意味でも新しい病院がスタートできたことは良かったと思っています。
―瀬戸本淳さんの設計ということですが、ご自慢は。
院長 病院設計は初めてということでしたが、病院らしくなく、居住性を考慮してとてもうまく設計していただきました。明るく、一人あたりのスペースも基準より少し広めにとっています。患者さんはもちろん、家族の方にも喜んでいただいています。
副院長 新しい施設はやはり気持ちがいいです。「病は気から」とも言いますから、患者さんにとっても良かったと思っています。瀬戸本さんにはこちらからいくつか要望を出しましたが、とてもうまく取り入れていただきました。病気で来院される患者さんと、健診で来院される方とは気持ちが違いますから、外来は1階、2階はドック・健診のフロアにして完全に分けています。リハビリフロアを最上階の8階に置き、景色を眺めながら気持ちよく受けていただけるようにしました。また、7階の食堂は明るくて開放的な雰囲気にしています。

病気にならない身体をつくろう

―予防医学に力を入れておられるそうですね。
副院長 病気の早期発見・早期治療、病気にならないようにする、一度病気になっても悪化させないようにするというのが予防医学です。人間ドックや健診ですが、更に最近話題のアンチエイジングも病気にならないようにする予防医学の一つとして取り入れていきたいと考えています。
―アンチエイジングというのは、やはりシニア対象ですか。
副院長 高齢になられて色々な病気を持たないように、できるだけ早い段階から病気にならない身体づくりをしていき健康長寿を目指すというのがアンチエイジングだと思っています。
―どういう検査ですか。
副院長 血管年齢、骨年齢、筋年齢、ホルモン年齢・脳年齢など体内年齢を測り、身体がどれくらい老化しているのか、酸化が進んでいるのかを診断します。
―ほかにも特に力を入れておられる診療科目は。
院長 昨年から専門のドクターに来ていただき児童精神科を設けています。主に発達障害や心の病のカウンセリングを含めた専門治療です。困っておられる患者さんが多いのでしょうか、他の病院にはあまりないということもあり、かなり遠くからも来院されています。

患者さんと家族が安心できる病院に

―患者さんには中国や華僑の方が多いのですか。また、中国語で対応しているのですか。
院長 私の父の代は多かったようですが、この頃は新華僑と呼ばれる中国、台湾から新しく来られた方が多いですね。残念ながら私と副院長は神戸生まれの神戸育ち。中国語ができませんので、中国語が堪能なスタッフが対応しています。ご不便をおかけすることはないと思います。
―神戸生まれの神戸育ちの皆さんにとって神戸とは。
院長 私は神戸しか知りませんが、住みやすくていい街ですね。街の経済を考えると、もうちょっと賑やかになってもいいかなとは思います。
理事 海と山があっていい街です。遠くから友達が来た時など「神戸はいいよね」と言ってくれます。レストランやカフェなど新しいお店もどんどんできてきますので若い人たちも集まりやすい街だと思いますね。
副院長 私は中学から大学まで大阪で、医師になってから神戸に戻ってきました。上品な街で、人間もソフトなイメージですね。
―息子さん、娘さんのフォローは心強いですね。
院長 私はもうすっかり頼り切っています(笑)。
―理事は現場にも携わっておられるのですか。
理事 院長、副院長には医療に専念してもらえるように、私は主に経営に携わっています。直接現場に携わっているわけではありませんが、病院で療養型の対応をするか、恵秀会グループの老人保健施設、グループホームなどでの対応が良いのか、その方に最も適した対応ができるようにと心がけています。
―これからの博愛病院について。
院長 孫文先生の掲げた博愛精神のもと、心と心の触れ合いを大事にして、皆さんに安心して来ていただける、家族の方にも安心していただける存在でありたいと思っています。
―今後も地域医療にご尽力ください。ありがとうございました。

右から鄭正秀院長、鄭充康副院長、鄭晶水院長補佐


外来専用の受付入口


個室は落ち着きのあるウッド調の壁


憩いの場にもなる綺麗な食堂


大部屋も余裕のある空間


外来診察室


救急処置室


格子状のファサードがついたお洒落な外観


神戸博愛病院

〒650-0022 神戸市中央区元町通7丁目1-17
TEL:078-362-5010 FAX:078-362-5020
http://www.kobehakuai-togen.com/
阪神西元町 西出口すぐ JR神戸駅 徒歩5分

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE