11月号
田辺眞人のまっこと!ラジオ人物事典「神戸っ子出張版」11
ゲスト 伊藤浄真(じょうしん)さん(摩耶山天上寺 副住職)
パーソナリティ 田辺眞人さん(園田学園女子大名誉教授)
アシスタント 天宮 遥さん(ピアニスト)
ラジオ関西・日曜朝の番組「田辺眞人のまっこと!ラジオ」の中の「まっこと! ラジオ人物事典」は、各界で活躍されているゲストを迎えたコーナーです。出張版では、その中でも特におもろいお話を抜粋してご紹介。
天宮 摩耶山の紅葉の美しい季節です。副住職は、なぜ仏門に入られたのですか。
伊藤 天上寺で生まれ育ち、皆さんが祈願に摩耶山へお登りになるのを子どものころから見てございましたが、私自身はいずれ寺を出ようと思っていました。けれど昭和51年に全山が大火に見舞われ、その復興のお役に、生涯をかけようと仏門に戻ったのです。
田辺 天上寺の縁起とは?
伊藤 飛鳥時代の646年、インドの法道というお坊さんが、孝徳天皇の勅願により摩耶山に登られて、お釈迦様とご縁のある金の十一面観音様を納められ、この山を開かれました。その後、弘法大師として知られる空海が、唐に留学された際、唐で女人守護のみ仏として崇拝されていた、お釈迦様のお母様「摩耶夫人(まやぶにん)」像をたずさえて日本に戻られ、摩耶夫人堂を建立され、このお寺に納められたのです。それによって、山の名前が「仏母摩耶山」と呼ばれるようになりました。
天宮 「摩耶」は、お釈迦様のお母様のお名前だったのですね。
伊藤 摩耶という女性の仏様をおまつりし、信仰の対象にされているのは、日本ではここ摩耶山天上寺だけです。
田辺 お釈迦様を生まれた方のお寺ということで、安産のお願いに、兵庫の港町の方々は昔からお詣りをしていました。
天宮 10月27日~11月11日には、「摩耶山天上寺宝物展」が開催されますね。
田辺 拝観料は500円、お茶が一服ついております。天上寺までの交通は、摩耶ケーブルから摩耶ロープウェーへ、山上「星の駅」から徒歩約10分。11月25日までの土曜・日曜・祝日は、摩耶山までの交通に便利な「坂バス」「森バス」が運行されています。「坂バス」はJR灘駅から王子公園を通り、摩耶ケーブル駅までの運転です。
伊藤 摩耶山上には「森バス」が運行しており、摩耶ロープウェー山上駅から六甲山牧場など山上施設をめぐり、紅葉の森林植物園まで向かいます。途中、天上寺にも停留所があります。
田辺 この「坂バス」「森バス」は六甲・摩耶山の活性化のために実験的におこなわれているもので、バスの中で流れるミニ歴史講座のアナウンスを、僕が担当させていただいているんですよ。
(9月30日放送分より抜粋)
「田辺眞人のまっこと!ラジオ」
ラジオ関西 毎週日曜日 朝10時~12時放送中