2月号
木のすまいプロジェクト|平尾工務店|畳編|Vol.6
失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。
連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。
畳表の製造
今回は畳表の製造についてご紹介していきましょう。
畳表の製造は、一般的にい草農家が手がけます。泥染めと乾燥の工程を終えたい草は、変色を防ぐため黒色のビニール袋などに入れて光や湿気を遮断して保存しますが、まずそれを取り出して茎の品質を揃えます。最初に機械で長さをより分け、その後、曲がっているものや傷のあるものなどを間引きます。霧吹きで加湿したい草を片手で握れるくらいの束にして軽く振ると、質の良くないい草は折れたりして目立ってくるので、それを取り除いていきます。
選別されたい草はいよいよ加工に。しかし、乾燥したままだと織る際に折れやすいので、水分を与えてしなやかにしますが、この際の水分量の調節は色合いなどクオリティを左右するので、熟練の感覚が必要です。
織り作業は織機で。糸を縦に張りい草を横に織っていきますが、糸は麻や綿が一般的です。糸を1本ずつ張るのがスタンダードですが、縦糸が丈夫なほどたくさんのい草を織り込めて目が詰まり厚みのある畳になるので、高級品は2本ずつです。熊本県では基準を満たした糸を使用した県産い草の畳表に、その証として色のついた「県証糸」を織り込み、最後にトレーサビリティを明確にするため、QRタグも挿入します。
織り上がった畳表は一枚一枚、職人の眼で織り傷がないかチェックして仕上げ、さらに熊本県の自主規格に適合するか厳格に検査。合格品は産地等を記した証紙をつけ出荷されます。
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