9月号
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
リアルな国際情勢と最新トレンド両面を描き続け―時代を映す007シリーズの魅力
世界の映画ファン待望の通算25作目となる人気シリーズの最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が10月1日、日本で封切られる。シリーズ6年ぶりで、主人公ジェームズ・ボンドを演じるのは、6代目ボンドの英国俳優、ダニエル・クレイグ。監督には、シリーズで初めてメガホンを執る気鋭、キャリー・フクナガが抜擢された。同シリーズが世界の映画ファンに支持され続ける大きな理由は、毎回、その時代の国際情勢をリアリティ豊かに描きながら、最新鋭のボンドカーやボンドスーツなどを登場させ、時代のトレンドを映し出してきたところにあるだろう。新コンビは、どんな007の世界観を提示し、2021年の現代社会を浮き彫りにするのだろうか。
時代を代表する車やファッション
1962年に第1作が公開され今年で59年。その間、「007」の世界観が大勢の映画ファンを魅了してやまない理由は何か? 巨悪を相手に戦い続ける英国の諜報機関MI6の敏腕スパイ、ジェームズ・ボンドの揺るぎない正義感と信念を貫き通す硬質な生き様の普遍性が大きなバックボーンとなっていることは間違いないだろう。加えて007の魅力が色褪せない大きな理由は、手に汗握る追跡劇に登場するボンドカーや彼を追い詰めるライバルカー、身にまとうボンドスーツなど時代を代表する最新アイテムを駆使し、今の世を映し出すシンボル的な映画としての役目を担い続けてきたからに違いない。
現役を退き、ジャマイカで穏やかな生活を送るボンド(クレイグ)の下へ、CIA出身の旧友が訪ねてくる。「誘拐された科学者を救出してほしい」という彼の依頼は想像を超えた危険な任務だった…というストーリー。
気になる最新作で、クレイグが操る愛車は、アストンマーチン社の最新スポーツカー「DBSスーパーレッジェーラ」。最高出力725馬力のエンジンを搭載した〝アストンマーチン史上最速〟のモンスターマシンだ。
片や、ボンドを徹底的に追い詰めていく敵の車はランドローバー社が誇る4WD(四輪駆動車)の新型「ディフェンダー」。急こう配や水中(最大渡河水深900ミリ)も走破できる世界屈指のオフローダーを、映画界選りすぐりのスタントチームが運転し、驚愕のカーチェイスシーンを繰り広げる。
■『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
■2021年10月1日(金)全国ロードショー
■配給:東宝東和
■監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
■製作:マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
■脚本:ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド、キャリー・ジョージ・フクナガ、スコット・バーンズ、フィービー・ウォーラー=ブリッジ
■出演:ダニエル・クレイグ、ラミ・マレック、レア・セドゥ、
ラッシャーナ・リンチ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、
ジェフリー・ライト、クリストフ・ヴァルツ、
レイフ・ファインズ、ロリー・キニア、アナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ、デヴィッド・デンシック、
ビリー・マグヌッセン