2021年
8月号
8月号
harmony(はーもにぃ) Vol.42 新型出生前診断③
妊婦が出生前診断で陽性と確定すると、9割の妊婦は中絶を選ぶそうですが、なぜなのでしょうか。それは多分、ダウン症について知らないために不安があることや、知っていたとしても、いや、知っているが故に親が子育てそのものや子どもの将来に対して漠然とした不安を感じているからなのでしょう。どちらにしても中絶を選択する根底には「不安」があるようです。ではどのようにしてこの不安を軽減するように出来るのでしょうか。
妊産婦がダウン症の子どもを持つことへの不安に対しては、ダウン症の子どもを育てている家族や成長したダウン症の人たちとの交流の機会を持つようにして、子育てや将来の具体的なイメージを描けるような取り組みをしている認定施設もあります。
その結果、実際にダウン症児と家族が楽しみながら生きていく姿に触れることによって、診断で陽性と確定しても産むことを決断した夫婦もいます。重い決断ですが、その夫婦がなぜ子育てをしたいのか、何を大切にして生きていきたいのか、夫婦自身の生きていく価値観、世界観、宗教観や夫婦の家族、周りの人たちの思い、などによっても産むか、産まないのか、選択が分かれることでしょう。
ここでは出生前診断に関連してダウン症に触れましたが、今後、遺伝子診断の技術などが進めば、さらに多くの障害や病気の胎児の診断が可能になってくることでしょう。その時、どんな病気や障がいなら産むのか、それとも産まないのか、その選別は誰が何を基準にして行うのか。
さらに近い将来、遺伝子を操作して親が望む理想的な胎児を作ることも可能な時代が遠からず訪れるかもしれません。
いのちの選択や遺伝子診断、生命操作はどこまで許されるのか、これから私たちは大変難しい選択を迫られる時代を迎えねばならないような気がします。
親に育てられない子どもたちに、
里親・養親を求める運動です。
募金箱の設置にご協力いただける方は
協会にご連絡ください。
公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所
神戸市中央区橘通3-4-1
神戸市総合福祉センター2F
TEL.078-341-5046
https://ainote-kobe.org
E-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp