3月号
神戸青年会議所 すべての人が活躍できる 社会に向けた革新的な変化を VOL.1
それぞれの個性が十分に尊重され、すべての人々が活躍できる社会を目指す、神戸JCの「総活躍社会構築特別委員会」。中村委員長に今年度の事業についてお話を伺いました。
総活躍社会について考えたい
―野々村理事長は、今年度のテーマを『変革』とされています。その中で、今年度から新しく創設された「総活躍社会構築特別委員会」とは、どのような活動をされるのでしょうか。
神戸のまちを見ましても、さまざまな理由で社会から疎外されて、働きたくても働けないという方がたくさんいるように感じられます。例えば、障害をお持ちの方であったり、ひきこもりの方であったり、子育てと仕事の両立ができない方、子育て後に就職ができないなど、その他多くの理由で働きたくても働けない方が数多くおられます。そういった人々が生きがいや働きがいを持って活躍できる社会を構築していくというのが、委員会設立の背景にあります。野々村理事長が、昨年まで日本JCで「総活躍社会確立委員会」で活動されており、こういった委員会の活動は神戸でも必要だとお考えになって、新しく設立されました。総活躍社会というのはとても分野が広いので、私どもでは特に、障害者雇用の促進活動とジェンダー平等について考えていこうとスタートしました。
例会をウェブ上で無料公開。多くの方にご覧いただきたい
―具体的にどのような事業内容ですか。
障害者雇用の促進活動については、まず、3月の公開例会で講演会及びパネルディスカッションを行います。これは、神戸JCメンバーをはじめとする、雇用する側である企業に向けた情報発信の場であり、『障害のある人もない人も共に働く~ディーセントワークの実現へ~』をテーマに、ゲストに吉本興業所属の濱田祐太郎さんと、東京大学先端科学技術研究センター准教授の近藤武夫先生をお呼びします。濱田さんは先天性の視覚障害をお持ちですが「R-1ぐらんぷり2018」(現名称は『R-1グランプリ』)で優勝された人気お笑い芸人の方です。近藤先生は東京大学先端科学技術研究センターで、人間支援工学分野の准教授でおられますが、障害の有無に関わらず、みんながともに学び、働くことのできる社会システムの構築に向けて研究に取り組んでおられ、近年では企業での柔軟な働き方を生み出す雇用モデル「超短時間雇用モデル」という新しい働き方を推進されています。このお二方をお招きし、我々の今後の活動に向けてのキックオフという形にしたいと考えています。例会はウェブ上で無料公開され、事前にお申し込みをいただければJC会員以外のどなたでもご参加いただくことができますので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思っています(※3月19日締め切り)。
4月以降も、障害者雇用をより身近に感じていただけるような企画を毎月開催していき、8月の例会では市長をお招きし、この取り組みについて提言させていただく予定です。具体的には、少しでも前向きに障害者雇用を促進してくださる企業100社を新たに生み出すことを目標に考えています。
―ユニークな講師の方を招いた公開例会ですね。
濱田祐太郎さんは視覚に障害をお持ちですが、お笑い芸人として活躍されています。個人的には、なぜお笑いの道に進まれたのかという興味もありますね。R-1ぐらんぷりで優勝されたことは同じ障害のある方々に勇気を与えられたと思いますし、われわれ健常者も勇気をもらいました。また濱田さんは現在ひょうごユニバーサル大使としても活躍され、さまざま情報発信をされていますから、3月お会いできることがとても楽しみです。近藤先生とは、何度かZOOMで会議をさせていただいていますが、先生の基本的なお考えとして「健常者も障害者も変わらない」とおっしゃっています。これは私の解釈ですが、つまり経営者側、雇用する側が勝手に、変な偏見を持っているんです。しかし経営者側の意識が変わることで、この偏見も変わっていくのではないかと考えています。私自身学んだこととして、企業側はどうしても万能タイプな人材を求めがちです。例えばこの仕事をやってもらって、手が空いたら次はこれもあれもやってほしいということを求めてしまう。障害者の方の中には、そういった万能に仕事をこなす事が難しい方が多いですが、一方でその方の得意分野のこれをやらせたら健常者以上に能力を発揮するという場合もありますから、この3月例会でも、障害者の方も健常者と変わらずいろいろな可能性を持っているのだということを、経営者側の方々にしっかりお伝えできればと思います。
―ジェンダー平等への取り組みについては。
ジェンダー平等についての取り組みは、まずは神戸JC内でのジェンダーに対する意識改革を目的に1年間取り組んでいきたいと思っています。
早速2月には社会労務士の先生をお招きし、女性活躍推進セミナーを開催し、女性活躍推進法をベースに、企業で女性が活躍するための環境づくりについてや、厚生労働大臣が定める認定マーク「えるぼし」について、この認定を受けることで企業側にどのようなメリットがあるのかといったお話を伺いました。
今後も神戸JC内のジェンダー平等に対する意識の定着と主体的に実践することを目的に活動していきたいと思います。
JC活動は自分自身の価値観を変える
JCの活動の良い部分は、活動を通じて、たくさんの人脈や見識が広げられる機会があるというところにあって、私ももともとそのような目的で入会したのですが、最近、自分自身の価値観が変わってきたなというのが、自分でも感じられるようになりました。大人になってから、自分の価値観が変わるということは、普通に生活していてもそう多くはありません。
年齢や職種も様々なメンバーがいる中で、私よりもいろいろな経験をされている方と活動をご一緒することによって、自分にはない考えを学ばせてもらったり、当たり前だった私なりの価値観を良い意味で変えるきっかけになったり、また新しい共感が生まれたりもします。そういった大人の価値観を変える機会があることも、JCの魅力の一つではないかと思います。