12月号
Rhyme of LIFE Spice of SPACE|平尾工務店|chapter6 窓
生活に一層の優雅さを添えるパターンとなる家
すなわち、我々が今日暮らしているこの国にふさわしい家
我々の生活の事情に叶った家
近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトが追い求めた
理想と理念を受け継ぎつつ
生活にリズムを与えるこだわりの空間を
エスプリとクラフトマンシップを込めて…
窓|芦屋山手町レジデンス
「目は心の窓」とよく言うが、窓も目の如く建物の内面を反映し、外観の表情を左右する。近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの哲学を受け継ぐ平尾工務店の高級賃貸マンション、芦屋山手町レジデンスは、コーナーを回り込んでリズミカルに続く縦長の窓が印象的だ。その窓と窓の間の凸部が柱のように存在感を醸し、窓の上辺にカンチレバーの庇が延びる。まさにライトらしいフォルムだが、デザインありきの造形美ではない。
このような窓の配置について「もともと内部の折り曲げられた面が外部に反映した、ちょっとした表現」「内部空間の造形性を強調し、内部空間の感覚を高めるため」と、ライトは著書に記している。つまり外観=見た目からの発想ではなく、内部空間のあり方を追求した帰結。内から外へ連続する有機的結合という思想が、窓にも宿っているのだ。
ゆえに室内は快適そのもの。この窓の配されたLDKは2面開口かつ対角線状に風が流れるから、昨今重要視されている換気機能も優れている。窓自体は基本的に「外へと向かう自由な開口」とライトが評する開き窓で、防犯性が高く室内から外面が拭けるというメリットも。一部の窓はハンドルで開き角度が自由に調整できる優れものだ。
そして景色が素晴らしい。北西面は鷹尾山が季節彩る絵画の趣き。南西面は芦屋の街を見下ろし、六甲アイランドや遠くは関西国際空港まで望めるが、空気清澄なこれからの季節、宵になれば街の灯や港の煌めきを集めた宝石箱が現れる。