11月号
harmony(はーもにぃ) Vol.21 マレーシアからの レポート
宝塚市にある「はんしん自立の家」で開催された講演会に行きました。ここでは50人のハンディキャップを持つ入居者が暮らしています。イギリスの「チェシャーホーム」の理念に基づき日本で1985年7月1日に2番目のホームとしてオープンしました。
この日の講演は元厚生省児童家庭局障害福祉専門官、中澤 健氏(77)の「私たちはどこへ向かって歩むのか~マレーシアでの25年の旅を終えて」というテーマのお話でした。
中澤氏の父は1945年にマレーシアで戦死。彼は父の記憶がないまま成長したこともあり、父が戦死した場所に行くことを決めて1993年にマレーシアにわたり、ペナン島に10年、ボルネオ島他に10年余り暮らしました。ペナンでは現地の障がいを持つ人たちのための作業所や、車による移動図書館、村の廃品回収などの活動を始めました。ボルネオ島に移ってからも現地のイバン族の人たちと共に同じように障がいを持つ人たちのために日本からボランティアを募り、ワークキャンプをしながら施設を建設し、活動をしていました。ボルネオ島ではロングハウス(長屋のように軒が連なっている長い家)に多くの人たちが共同生活をしており、どのロングハウスにも障がいを持つ人たちがいました。中澤さんは「生きることに困難を感じている人がいるのなら、捜してでも支援をする」ことを目指したそうです。文化が異なる人たちと活動をするためには「信頼されること」、そのためには「共にいること」が必要であり、一緒に定住して暮らすことの大切さを語りました。「人間は、できるかできないかではなく、そこに在ることに意味があり、命がそこに存在することに価値がある」と考えます。彼は恩師に「toやforでなく、withが大切」と聞いたことを実践してきたとのこと。マレーシアから日本を見ると今の日本は危機的状態にあり、「自然から学ぶこと、便利さや快適さを見直すことが必要なのでは」と話を結びました。
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